(1)      (昭和51年6月7日第三種郵便物認可)美術新聞社報 令和年4月14日(水曜日)
  

東博が、入館料値上げ!(続)

 東博の入館料の大幅値上げ方針について異論を差し挟んだら、各方面からいろいろお励ましを頂き、同憂の士が少なくないことを実感した▼ある読者からは、「東博の考え方は安易すぎて、論外。博物館法には、国民共有の文化財について、無料で国民に展覧、鑑賞させることと規定されているのだ」、とご教示頂いた。そうなのかと、早速「博物館法」をひも解いてみた。そうしたら、博物館法第二十三条にはこうあった。「公立博物館は、入館料その他博物館資料の利用に対する対価を徴収してはならない」。なるほど、そうなのか▼じゃあなぜ、各館とも大っぴらに入館料を徴収しているか。で、二十三条をよく読むと、後段にこうあった。「但し、博物館の維持運営のためにやむを得ない事情のある場合は、必要な対価を徴収することができる」。なるほど、法律は作る人も使う人も、ちゃんと抜け道が分かっているのである▼だが、東博は「将来のための財務基盤の整備」を掲げているわけだから、これは「やむを得ない事情」とはちょっと違う。ちなみに、海外に目を向けてみると、ソウルの国立中央博物館にしても、中国の上海博物館、天津博物館にしても、すべて入館料は無料。これがグローバル・スタンダードなのだ。
 


東博が入館料値上げ!

爛Ε錺記瓩麓にしていたが、これほどとは----。東博が入館料を四月から一、〇〇〇円(一般・個人)にすると発表した。現行は六二〇円だから、何と六割超という大幅値上げである▼そして館側ではこの値上げは「来館者サービスの向上」のためと謳い、これにより「展示解説の充実」「新感覚の展示の拡大」「庭園の整備」「休憩スペースのリニューアル」などに一斉に着手すると表明している。しかしこれでは、これほどの大幅値上げの説明には到底なるまい▼本音はむろん後段の、「貴重なコレクション」を次代に継承できるように「財務基盤を整備」というところにあるのだろうが、しかし今を営々と生きる庶民(入館者)に「次代のため」の負担を求めるのは、やはり限度というものがあろうし、段階的に引き上げるようなやり方が、経済原理というものだろう▼おそらくは、東博がこうして先陣を切り、少し遅れて国立他館も続々と追随する目論見に違いない。それも「東博は六割、当館は四割」などという戦術かもしれない。それにしても、政府も政府だ。独立行政法人化で自助努力を促すという政策は、間違ってないにしても、「次代のため」の投資を入館者にかぶせる図式となるのは、やはり間違っていると思う。


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