(1)      (昭和51年6月7日第三種郵便物認可)美術新聞社報 平成29年(2017) 10月22日(日曜日)
  
投稿日時: 17年02月15日

 小・中学校用の「学習指導要領」の改訂案が公表された。早速、「国語科」に関する記述の全文を掲載し、「書写」関連の個所と、漢字配当に関する個所を太字にして傍線を付けてお届けしたが、お読みになっていかがであろう

▼素朴な感想としては、「あの小学校低学年への毛筆指導はどうなったの?」という受け止めが大勢と思われるが、これは加藤氏の一文にもあるように、『解説書』が出てこないと文科省の考えを即断はできないようだ。ただ、実際に「一年生から毛筆」が実現するとなると、これはまさに書道界の夢の実現だが、素人考えでもハードルは決して低くはなかろうと思う

▼そこでだが、せっかく文科省が「意見を聞かせて」と門戸を開いているのだから、ここは書道界、専門家の立場で専門的な意見を、熱意を込めて届けたらどうだろう。という主旨で2面に文科省の「意見募集」の実施要領を載せた。言うまでもなく書道界には、長年にわたって幼児や低学年児童に毛筆指導してきた経験者は決して少なくないのだから、その経験知見を踏まえて、ぜひ意見を届けてほしい

▼とにかくここは、50年に一度のチャンスが、あと僅か1カ月だけ扉が開いている状態! 無にしないで! と提案しておきたい。

(書道美術新聞 第1093号1面 2017年2月15日付)


投稿日時: 17年02月01日

 今回の学習指導要領の改訂の動きの中で、本紙はこれまで「高校延伸」を重点的に報道してきたが、実は今回、小・中「書写」は上方(高校国語)への延伸だけでなく、下方(小学校低学年)への延伸、低学年への「毛筆書写」の導入も、合わせて実現する可能性がある

▼具体的には、今号の長野氏の寄稿にもあるように、もともと教育界には子供の教育現場を預かってきた経験から、毛筆を使った「書写」指導を小学一年生から始めたほうが効果的との根強い考え方がある。このため教育界は近年、この問題に関する実践研究を組織的に続け、文科省にその研究結果を報告するなどの努力を重ねてきた

▼だから教育界が今回の改訂で目指してきた猖槎伸瓩麓造蓮峅縞への延伸」で、上方への延伸はある意味、驚きの結果なのである。つまり、「高校国語への延伸」は書写・書道の側からの構想ではなく、国語側から提起された改革案だということで、従ってこれは書写・書道の側が、そういう大きな期待、大きな使命を託されようとしていることと理解しておく必要があろう

▼それにしても、この双方向への延伸が現実のものになったら、教育界も書道界も、とても忙しくなるのではないかと思う。今年は、「書道界中興元年」――。

(書道美術新聞 第1092号1面 2017年2月1日付)


投稿日時: 17年01月15日

 奥野誠亮氏が亡くなった。昨年11月16日、満103歳だった。その2日前までは全くいつも通り過ごしておられ、前日、「ちょっと疲れた」と横になって、そのまま静かに息を引き取られたとか。まさに大往生であった

▼自民党の元代議士、元文部大臣としてよりも書道界にとっては、かつて書写・書道教育の振興のために青山杉雨・村上三島両氏を中心に全書壇が結集して立ち上げた日本書道教育会議の会長として大きな指導力を発揮、お世話になった方である

▼氏を会長に迎えるために最初に動いたのは上条信山氏で、どこかにも書いたが、その時上条氏に誘われて私も東京・原宿のご自宅に伺って奥野氏にお目に掛かり(以後、昨年まで30年以上も氏から年賀状を頂いた)、「そういう組織は大事だから、ぜひおやりなさい」と励ましてくださった

▼しかし会長就任は固辞されたので、青山氏の指令で奥野氏と同郷で同い年だった杉岡華邨氏が懸命に口説き漸くOKが出たという話は、知る人ぞ知る秘話。そんな関係から晩年は書道展にもよく足を運ばれ、昨年までは「20人展」でも必ずお会い出来た

▼なお、奥野氏は3男なので、生前都内の小さな寺院にご自分の墓所を用意されており、その墓標は古谷蒼韻氏の揮毫だ。

(書道美術新聞 第1091号1面 2017年1月15日付)


投稿日時: 17年01月01日

 旧臘4日、美術新聞社は宮澤正明・山梨大教授を講師に招いて講演会を開いた

▼中教審のWG委員の先生なので、「まだ答申が出てないので、発表済み資料でのお話になりますが…」と断りつつ、答申のサワリの部分を明快にお話しくださった。「小学校の書写は今後、手本を与えて書かせるだけではダメになります。『文字文化』というキーワードが出て、小学校でも平仮名、片仮名、漢字の由来とか、点画、字形などの特質を理解して書くことが求められます」

▼「中学でも、『文字文化の多様性や表現の豊かさを理解して効果的に書く』などとされるでしょう。用具・用材を含めた文字文化の理解を深める学習が求められます」。「高校で国語科に書写が位置づけられると、現行の指導要領でも中学3年では『身の回りの多様な文字に関心をもって』などとそれなりに定めているのですから、今後は高校の方でもそういう小・中の書写を受け止めて、『その先を請け負いますよ』となるわけです」

▼そして、こう続けた。「中・高間にはこれまでも書写と書道で爐里蠅靴蹲瓩呂△辰拭でも、延伸で溝が完全に埋まる訳ですから、しっかりした架け橋、レインボーブリッジが架かる、そういうことだと期待してください」。楽しみだ!

(書道美術新聞 第1090号1面 2017年1月1日付)


投稿日時: 16年12月15日

 故鶴田一雄教授(当時)が「このままでは、国立大学の教員養成学部から『書道』が消滅するのではないかと、危機感を抱いている」と本紙に牋筝性瓩鮟颪残して急逝されてから、まだ僅か3年。しかし、本当に新潟大学が高校書道教員の養成教育から撤退することが明らかになった

▼本号の年末回顧アンケートでも、同大名誉教授の加藤僖一氏がこの問題に触れ、「現職の責任者は辞職すべき」とまで書いておられるが、それだけ関係者には衝撃的な出来事ということだろう

▼だが、文科省の方針に従って平成10年以降は全定員をゼロ免の「新課程」に移しながらも、毎年ほぼ全員に「高校書道一種免許」を取得させ、卒業生も例えば全国に例年20人前後しか採用枠のない専任教員に、一昨年など2名(埼玉県、静岡県)も採用を射止めるなど気を吐いているのだから、今回の責任を現役の教授陣に負わせるのは酷と言うものだろう

▼それにしても大学側は、今回の新方針を早いうちに高校宛にアナウンスしたのだろうか。もしそうでなかったら、今深刻なのは高校の書道担当の先生方、そして同大をめざして準備してきた受験生だろう。同大「書表現コース」の入試には、例年全国から60人前後が志願してきたのだから。

(書道美術新聞 第1089号1面 2016年12月15日付)


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