(1)      (昭和51年6月7日第三種郵便物認可)美術新聞社報 平成29年(2017) 11月22日(水曜日)
  
投稿日時: 17年11月15日

 世界記憶遺産に、日本関係の2件が同時登録される

▼「朝鮮通信使」が日韓歩調を合わせた運動の結果、登録に至ったということも、快挙と言えよう。そして、韓国側に関係の記録や資料がほとんどないので現実味は乏しいのだが、実は「上野三碑」の登録も、世が世なら両国が協調して進められる案件のはずだったと思わずにいられない

▼よく知られているように、群馬の三碑も、栃木の「那須国造碑」にしても、当時の半島・新羅からの渡来人の知見や技術に裏づけられたものであったことは、今や学界の常識だからである。かつて、わが大和朝廷は伝統的に近親関係にあった百済寄りの対外政策をとっていた。だから押し寄せる多数の渡来人や難民については、百済人は武蔵国辺りまで、一方の新羅人はより遠くの上野(群馬)、下野(栃木)、常陸(茨城)への入植が相場だったらしい

▼記録によれば、推古天皇の601年、新羅の間諜を上野に流したのを手始めに、斉明天皇の660年には百済の100余人を美濃に、持統天皇の687年には新羅の14人を下野になどとあり、千人単位の入植も一再ではなかった。しかもこれらの入植者には3年間、職と住を保証して生活の安定を図ったというから、見事というほかない。

(書道美術新聞 第1110号1面 2017年11月15日付)


投稿日時: 17年11月01日

 今年も日展が開幕した。鳴り物入りで始まった日展改革も、どうやら緒に着いたと見てよさそうに思う

▼美術新聞社は今年も全入選者の所属会派の調査を続ける方針だが、「これは」というような結果が出なければ公表しない方針。昨年も99・3%まで分析を終えたが、公表は見送った。こうした情報の公表には副作用もあるので、書道界の将来にとってプラスかマイナスかを、判断しなければならないと思っている

▼ところで日展では今、五科懇親会での、ある外部審査員のスピーチが話題だ。同氏は今年で2度目の外部審査員だが、その経験を踏まえて「とにかく大変いい審査、透明性のある審査が行われた」とした上で、「もう外部の人間は要らない気がする」、「朝令暮改はいけないが、5回もやればもう必要ないのではないか」と述べた

▼そして続けて、「やはり日展は年に1度の大きな受験のチャンスで、学習のチャンスでもある。学習には反対側に教育ということが必要で、よき師匠の指導がなければならない」、「だが、事前指導がいけないという。これが部外者には、よく理解できない」、「当番審査員との癒着を恐れるのであれば、審査員を非公開にしてしまうのも一案だろう」――。狎は性瓩亮け止め方は、如何?

(書道美術新聞 1109号1面 2017年11月1日付)


投稿日時: 17年10月15日

 書写書道学会の大会で催された「新学習指導要領」をテーマにしたシンポは、さすがに参加者も多く、大いに盛り上がった

▼特に文科省の教科調査官を務める加藤泰弘・東京学芸大教授には、現在同省内で告示へ向けて作業が進んでいる、「小・中書写の高校国語への延伸」が盛り込まれると見られる高校用の新指導要領の作業状況について質問が集中した。むろん調査官氏は、公表済みの中教審答申のワク内でしか答えられないのは当然なのだが、会場では少しでも最新情報をと、いわば爛リギリの攻防瓩繰り広げられた

▼筆者も、あの問題について質してみた。「小学校用の解説書で例示された狄綵駘冑等瓩任垢、あの狹瓩砲鰐喇は含まれないのでしょうか」。氏の答えは、「毛筆は3学年からとなっている訳ですから狹瓩北喇が含まれ、墨を付けて書く指導が行われると、それは爍崖愬から瓩繰り下げられることになります。含まれないと考えるべきです」

▼筆者は食い下がった。「毛筆に水を付けて書くのはどうでしょうか」。加藤氏の答えは「水書用筆等は硬筆の持ち方、鉛筆の持ち方で学ぶことになります。毛筆は適さないと考えるべきです」。さすがに正鵠を射た回答で、納得したのだった。

(書道美術新聞 1108号1面 2017年10月15日付)


投稿日時: 17年10月01日

 「酒と書と…」展はお陰様で、盛会裡に開かせて頂くことができた。各位の作品は、来年には長野にあるタイムカプセル館に収め、300年後まで保存させて頂くという企画もご支持頂けたようだ。もっとも、現代の紙が果たして唐・宋の紙と同等の耐久性を持つかどうかは、300年後の人々の検証に委ねるしかないのが歯がゆい

▼ところで、会場をご覧下さった方はお楽しみ頂いたと思うが、全国の酒ラベル展も、これほど集めた例はそう多くないだろう。そして、「へー、これがあの名家の筆なのか」と、急に愛着が湧いた方も少なくあるまい。全国の酒造会社も、もっともっと書家の筆になるラベルを採用し、そして揮毫者を明示して欲しいものだ

▼ちなみに、会場で目にとまったラベルの筆者の一部をメモしておくと、次のようになる。▽上田桑鳩「壺中春」(福島・末広酒造)▽日比野五鳳「松竹梅」(京都・宝酒造)▽金子鴎亭「賀茂鶴」(広島・賀茂鶴酒造)▽中村不折「真澄」(長野・宮坂醸造)、「萬歳」(兵庫・山名酒造)▽富岡鉄斎「神聖」(京都・山本本家)▽柳田泰雲「菱正宗」(広島・久保田酒造)▽桑原翠邦「谷桜」(山梨・谷桜酒造)ほか

▼もちろん、圧倒的に多いのは現存作家のラベルなのだが、別の機会に――。

(書道美術新聞 1107号1面 2017年10月1日付)


投稿日時: 17年09月15日

 今年も間もなく日展が開幕する。この日展(5科)に関しては、美術新聞社が昨秋の「第3回展」についても書道界に幅広くご協力願って「全入選者所属会派調べ」を実施したことはご存じの通りで、例年と同レベルの99・3%まで調査を完了している。が、今年は報道を見送ってきた

▼この日展の牴馭苗瓦扠瓩侶覯未諒麁擦禄馥山Δ砲箸辰謄廛薀耕未發△譴丱泪ぅ淵耕未發△襪海函∩碓佞坊設的に利用されるとは限らないことは、小紙もよく承知している。従って書道界の公器をもって任じる小紙としては、その都度、公益性の度合いの観点から報道の可否を判断してきている。「改組日展」としてスタートを切った年で社会的関心も高かった「第1回展」、そして審査員会派に極端に片寄った入選数が把握された「第2回展」について報道に踏み切ったのは、そのゆえである

▼それに対して「第3展」の調査結果は、なお審査員会派の一部に入選数の伸びは認められたものの明らかに是正の努力は認められ、また従来陽が当たらなかった会派にも陽を当てる努力が認められると判断して、見送りを決めた次第である

▼しかし、小紙としてこうした調査を実施し実態を把握し続けることは大事だと思うので、「第4回展」の牴馭苗瓦扠瓩盥圓κ針。ぜひ今年もご協力のほど!

(書道美術新聞 1106号1面 2017年9月15日付)


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