風信帖(975)

 12年01月01日 | カテゴリ: ≪風信帖≫

 書道界に韓流ファンがどれほどおいでか分からないが、あの韓国MBCテレビの人気ドラマ「チャングム」(2003)に対抗してライバルのSBSが同じ脚本家と演出家を起用して作った「ソドンヨ」(2005)というテレビドラマも、大評判だった。日本でもBS朝日が放映したからご覧になった方も多いだろうが、あのドラマの主人公ソドンこそ、百済王朝第三十代の王、武王その人である

▼「チャングム」はほとんど創作だが、「ソドンヨ」は実は、百済の王族の少年ソドンと、新羅の王女で絶世の美女ソンファ姫の恋物語の説話が韓国で長く語り伝えられており、史書『三国遺事』にも二人が恋を実らせて王と王妃になり、弥勒寺創建も王妃の発願によると記録されている

▼が、何と今回弥勒寺址から出土した「舎利奉迎記」には、「百済の王后は佐平沙■(砂宅)積徳の女(むすめ)で浄財を喜捨して弥勒寺を建て舎利を供養した」とあったから、大変! お隣りでは目下、「武王には王妃が複数いた」とか、「王后佐平沙 積徳女の記述は、王后と積徳の女が一緒にと読める」等々の諸説が飛び交い、説話を守ろうとする人々が多いらしい。うるわしいことである

▼なお、『三国史記』にはソンファ姫は一切登場しない。

(書道美術新聞 第975号1面 2012年1月1日付)




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