風信帖(957)

 11年03月15日 | カテゴリ: ≪風信帖≫

 その時刻には、大阪にいた。新大阪に向かう地下鉄が梅田を発車した頃で、全く気づかなかった。10分後、新大阪駅のみどりの窓口で係員から告げられた。「東日本で大きな地震があったらしいです。到着が少し遅れるかもしれません」。それが始まりだった

▼定刻に発車した新幹線は、京都まではいつもと同じだった。だが京都で、「東日本の地震のため東京‐小田原間が停電しております。このため発車を暫く見合わせます」とアナウンスがあったのが3時半過ぎ。以後、車掌は延々同じ説明を繰り返し、次に的確な情報開示があったのは実に8時半過ぎで、それも「本日、新幹線は終日運行を中止致します」――。「オイ、オイ…」

▼当然ホテル探しは、難渋を極めた。既に帰宅難民たちが何時間も前からバトルを繰り広げた後だったからで、大阪で漸く1泊4、000円也の安ホテルにチェックイン出来たのは、日付の変わる寸前だった

▼こうしてかなり“JR嫌い”になりつつ会社に帰り着き、事務所内の惨状に目を覆うのはその15時間後、何とか仕事が出来るまでに片づけ終えるのはさらに15時間後だったが、それはともかく、各地であの大災害に遭われた方々には、どのようなお見舞いの言葉があるのだろうか。

(書道美術新聞 第957号1面 2011年3月15日付)




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