≪風信帖≫912

 09年04月01日 | カテゴリ: ≪風信帖≫

 「みなさん、こんばんわ!」、過日在日ポーランド大使館で開かれた「日ポ国交樹立90周年」を記念する書道展の会場でのレセプションで大使は、滑らかな日本語で話し始めた。もっとも、暫くして「立場上、これからポーランド語でお話します」といってからは、若い女性通訳のあまり滑らかでない日本語でよく聞き取れない状況となったのは、まあご愛敬だった
▼それはそれとして、スタイルも抜群のこの美人大使は同展に、高橋里江さんに指導を受けたという、しかし恐らく“お手本”はかなり無視したとおぼしき「手と手」「友」など実に魅力的な三点を出していてそれも話題を呼んだが、記念図録に漢字かな交じりの“書写能力”を駆使して執筆した挨拶も、内容のあるものだった

▼「カリグラフィア(書法)は言葉の意味の美しさと文字の形の美しさを結びつける作法として、ポーランドで古くから親しまれてきました」「ところが現在、パソコンとインターネットの普及により、手で字を書くこと自体が珍しくなっています」、「日本の書道は、感情、理想、形が融合した稀にみる芸術です」等々と、時にクールに、時に熱く書を語ったその言葉は、われわれ日本人にも強いメッセージを伝えるものとなっていた――。

(書道美術新聞 第912号1面 2009年4月1日付)



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