風信帖(1101)

 17年06月15日 | カテゴリ: ≪風信帖≫

 先週、駆け足で西安と北京を歩いてきた。北京では、旧知の篆刻家にわざわざ西安から同道してもらって中国国家画院を訪問し、いま中国美術界で最も大きな影響力を持つといわれる楊暁陽院長と会うことができた。その篆刻家が、楊氏の弟子という関係である

▼初対面だったが、楊氏には十年の知己のような歓待を受け、有意義なひと時を過ごしたのだが、その楊氏から、「安倍首相は、書をやりますか」と聞かれた。私は、「よく知らない。しかし一度、台湾で日台交流の展覧会に色紙を出されたのを見たことがあります」と答えた

▼そうしたら楊氏は、「安倍首相はよくやっていると思うが、時々カッとなることがあるようで、それが欠点だと思う」と言い、「機会があったら、安倍首相に言ってください。忙しいだろうけど、たまには心静かに書を嗜むゆとりをお持ちなさいと。そうすれば、きっといいことがありますよと」と続けた。私は、「必ず伝えます」と答えた

▼実は前日、同じ北京で超高名な画家を訪問し、その人に「ぜひ日本においでください」と言ったら、「安倍首相が辞めたら行く」と返され、彼の国の朝野の雰囲気を肌で感じたばかりだったので、楊院長の人物の大きさに改めて感じ入ったのであった。

(書道美術新聞 第1101号1面 2017年6月15日付)




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