風信帖(1069)

 16年02月01日 | カテゴリ: ≪風信帖≫

 欧陽可亮の訴訟の行方は当初から気に掛けて来た。恐らく和解で決着することになるのだろうと考え、報道はそれからでもと思っていたのである
 
▼ところが立命館側が何と、「大学の自治」「学問の自由」を振りかざして和解を拒んだと聞き、報道に踏み切ったわけなのだが――。読者にも、ここに抄録した準備書面をお読みになって、狒碓佞梁荵絢圻瓩箸靴董崕衢権」を盾にした立命館の方が、法律的には強いかもと思われた方は少なくないだろう

▼確かに原告側の主張は、論理よりも「情」に訴えている面があり、証拠や立証という面では強いとは言えそうにないから、裁判官も「遺族としての心情は理解できるが」と、被告側に軍配を挙げる可能性もなくはない気がする

▼とは言え、仮にこれで立命館側が勝てば、それで研究や公開、出版等々の関連行為が自由自在に出来るかというと、さにあらず。実は、遺族がまだ30年近く保持する「著作権」「著作者人格権」という権利はかなり強力だから、今後差し止め請求や許諾拒否という形で対抗されたら、宝の持ち腐れとなるのは必定で、死蔵するしかなくなるのではないか。本紙としては立命館側に、建設的な和解協議に応じることを勧めるゆえんである。

(書道美術新聞 第1069号1面 2016年2月1日付)




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