≪風信帖≫第904号

 08年12月01日 | カテゴリ: ≪風信帖≫

 ことしの国際蘭亭筆会展も無事に終わった。特に金門島まで足を伸ばして交流会をもてたことは、大きな意義があったと思う。ついこの間まで台湾軍の最前線基地の島で、20世紀中にあった三次だか四次だかの多数の戦死者を出した激戦のさまは、あの島に降り注いだ大陸側の砲弾の数が実に100万発という一事をもってしても想像はつく
▼そんな金門島が、国際緊張緩和のお蔭で漸く平穏を取り戻しつつあり、そして今や金門島の特産品の1つは何と「包丁」というから驚く。鉄鉱石が採れるのかというと、そうではなく、原料はあの砲弾である。全島に眠る不発弾や炸裂した弾丸の破片は、もちろん高品質のハガネなので、材料としてはうってつけ。しかも砲弾ひとつで40丁作れるというから、小規模の地場産業の資源としては無尽蔵といってもよさそう

▼で、「これは記念に1本買って帰らねば」と、ダメもとで「蕎麦包丁はあるか」と聞くと、何と奥からちゃんと持って来たではないか。日本蕎麦を打つときに使うあの独特の形状と使い勝手の大型包丁が年に何本売れるものかは聞きそびれたが、でもちょっとした感動だった。まだ帰ってきて1週間だから、試してはいないが、さてどんな味の蕎麦が打てることか‐‐。


(書道美術新聞 第904号1面 2008年12月1日付)



kayahara.com : 萱原書房・美術新聞社のサイトにて更に多くのニュース記事をよむことができます
http://kayahara.com

このニュース記事が掲載されているURL:
http://kayahara.com/modules/column/index.php?page=article&storyid=17