風信帖(1030)

 14年05月15日 | カテゴリ: ≪風信帖≫

 「円光大・書芸科」の歴史は、1989年から始まる。それが何と四半世紀を迎えた節目の年にその存立の危機を迎えるとは、皮肉な巡り合わせというほかない

▼同科の創設のために当時、韓国の書芸界や教育界の有力者らが一丸となって奔走し実現に漕ぎ着けた経緯は今も語り草になっているが、それだけこの分野での大学の専門学科創設計画は、「無理筋」と認識されていたのかも知れない。そしておそらくその認識の一斑は狃亳問題瓩傍因し、あるいは例えば「書芸学」なる学問概念の未成熟など、種々の問題があったことは間違いない

▼しかしそこはコロンブスの卵か、パイオニアに続けとばかり以後韓国内でも名門啓明大をはじめ次々と参入。未確認だが最盛期には10校を超える勢いだったともいい(今は大田大、京畿大と円光のみ)、一方日本でも大東文化、四国、安田女子などと名乗りを上げ、中国では実に今や70校に「書法学科」が存在するというほどの大きなうねりとなったのだから、円光大は歴史を切り開いた者の誉れを担う資格がある

▼とはいえ、そのパイオニアの退場というニュースが舞い込んだのであるから関係者は当然、ただ驚いて済ます訳にいかないのは言を俟たないところだろう。

(書道美術新聞 第1030号1面 2014年5月15日付)




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