風信帖(1004)

 13年04月01日 | カテゴリ: ≪風信帖≫

 「世界無形文化遺産」は正確には単に「無形文化遺産」といい、文科省によると芸能、伝承、社会的慣習、儀式、祭礼、伝統工芸技術、文化空間などが対象で、ユネスコ総会で採択された「無形文化遺産の保護に関する条約」が根拠

▼その条約ではさらに、「無形文化遺産とは、慣習、描写、表現、知識及び技術並びにそれらに関連する器具、物品、加工品及び文化的空間であって、社会、集団及び場合によっては個人が、自己の文化遺産の一部として認めるものをいう」と定義している。これでみると、国際的に厳しいチェックが入るいわゆる「世界遺産」「自然遺産」などに比べて、対象は広く、査定もゆるくイメージされているようで、実際既に日本や各国が登録を実現した「遺産」の項目リストを見ても、こんなものまでと思うものもなくない

▼それゆえ、わが「日本の書」とか「かな書」を登録しようとすれば、それ自体はさして難しそうにも思われないが、むしろ登録に至るプロセスが重要かもしれない。つまり、条約にいう「社会及び集団」としての書道界自身の認識、自覚あるいは覚悟、決意が問われるというか、そういうしっかりした共通意志を醸成する機会にできれば、大きな意味がありそうに思う。

(書道美術新聞 第1004号1面 2013年4月1日付)




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