風信帖(1000)

 13年02月01日 | カテゴリ: ≪風信帖≫

 5世紀高句麗の石碑新発見のニュースは、なぜか日本ではまだメディアは沈黙の状態だが、先週ソウルで会った美術館関係者らはまさに興奮状態で、報道された内容をつぶさに説明してくれた。しかし、「画像は?」と聞くととたんに顔を曇らせ、「中国は、全部済んでからじゃないと出さないからね」と首をすくめた

▼それにしても、何という慌ただしさか――。集安市麻線県の現場付近の住民が河原で、一部が露出していた石板を発見したのは、つい去年の夏のことである。文字が彫ってあることが分かったので、鍬で掘ってみたところ、かなり大きな碑石だと分かった。そこでショベルカーを頼んで!、掘り出して自宅前に運んでから、当局に電話で知らせたのだという

▼そんなやり方をして何のお咎めもないのかとも思うが、まあこれが中国か。それと共に、市政府がすぐさま予算を組み専門家を集めて調査団を編成、わずか数カ月で釈文まで確定して専門誌に簡報の原稿を持ち込むというスピード感?!、これも中国なのだろう

▼もっとも、その原稿がすんなり当局のチェックを通ったのは、碑が高句麗のものとはっきりしているからで、漢民族の歴史に関わる可能性が少しでもあったら、とてもこうはいかなかったか?

(書道美術新聞 第1000号1面 2013年2月1日付)




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