(1)      (昭和51年6月7日第三種郵便物認可)美術新聞社報 平成29年(2017) 11月24日(金曜日)
≪風信帖≫
風信帖(990)
投稿日時: 12年08月15日

 たとえ日本で「書道」が廃れたとしても、中国では子供から大人まで決して筆を手放すようなことはないだろう――。大方の日本人は、そんな確信を持っているかもしれない

▼ところがその中国で、「筆ペン」の普及に本気で取り組もうとする動きがあると聞けば、どんなご感想をお持ちになるだろう。しかし、実際に過日懇意の出版人を通じて依頼を受け、日本で市販されている「筆ペン」を数10種買い集めてサンプルとして送り届けたのである

▼「中国で筆ペン?」「誰が使うの?」、実は彼らは、学童用に考えているようである。というのも、ちょうど1年前の昨年8月、彼の国でも既に小中学校ではほとんど形骸化して久しい「書法教育」について、「科目基準通りに実施せよ」と、当局が通達を出したのである

▼「小三まではまず硬筆の書写能力を」、「小三からは毛筆も用いて」という具体的な通達だったから、教育現場も、教材産業も、さあ困った! 何しろ、億単位の学童数である。全員に急に毛筆を持たせようとしても、どこにそんな原料があるのだということで、「そういえば、日本には筆ペンというものがあるそうじゃないか」、「あれなら量産が効きそうじゃないか」…、多分そんなところではないかと推測している。

(書道美術新聞 第990号1面 2012年8月15日付)


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