(1)      (昭和51年6月7日第三種郵便物認可)美術新聞社報 平成31年(2019) 12月14日(土曜日)
  
投稿日時: 19年11月10日

 海上雅臣さんが亡くなった。「行動的美術評論家」と評されたその軌跡は、多くが常に対岸からモノを言っているような我が美術評壇にあってはまさに異色の、河を渡り現場に乗りこんだかのような活動ぶりだった▼十八歳で棟方志功の版画を買ったのをきっかけに「美術を見る」世界にのめり込み、二十代で早くも棟方の画業を整理して四冊の本にまとめたのが狃蘓忰瓩世辰燭、それが棟方のベネチア・ビエンナーレでの大賞に結び付いたとも言われるから、確かな犂穃廊瓩噺世錣佑个覆蕕覆あ畢生の労作というべきはやはり、井上有一のカタログレゾネ、『井上有一全書業』(全三冊)の編集・刊行で、これにより井上の評価が国際的にも定まったことは、二十世紀「書界」の金字塔として長く残る仕事といえよう。初め銀座で壹番館画廊を経営し、その後麻布台でウナックサロンを主宰したのも、多少雑音は伴ったとは言え、彼の「行動的」一面を物語って余りあるものだった▼筆者は晩年の井上有一と割合親しく付き合ったのだが、その出会いはウナックで海上さんから紹介されたことで、その後もたびたび、「井上さんが来ているから来ない?」などと、電話をもらったものだった。海上さん、安らかに――。


投稿日時: 19年10月29日

 美術新聞社はこのほど、今夏全国で繰り広げられた、来年四月から小学校で使われる「書写」教科書の出版五社による犧梁鮠戦瓩侶覯未鬚泙箸瓩拭碧椹羯諭糎淕婿仮函法
▼小学校用教科書の採択(採用)は、全国の区市町村を約六〇〇に集約した「採択エリア」ごとに行う仕組みで、エリア内では全て同一の教科書が使われる。従って、特に学習指導要領が新しくなって全面改訂した際の出版各社の「エリア」獲得競争は、熾烈を極めるといわれる。
▼とはいえ、学校現場ではやはり使い慣れた社の教科書を求めがちだから、各社のシェアはそう大きくは変動しない。そして「書写」教科書では従来から、光村がトップシェアを維持してきたことは、書写教育界では周知の事実で、今回も光村は全五八七のエリア(不明二を含む)のうち実に二九一と、ほぼ半数を押さえたことが分かった。
▼ちなみに一〇年前は全五七八のエリア中、二六三だったから、シェアを大きく伸ばしたわけである。もともと同社は従来から「国語」教科書で六割超のシェアを維持しているから、そういう流れと見ることもできる。ともあれ、全国の書塾指導者各位には、この調査結果は貴重な情報になると思う。特にエリアの境界付近ではご注意頂きたい。【萱原 晋】


投稿日時: 19年10月29日

 われわれ民間としても、「文字文化検定」の具体化にまだ苦戦中で、学校教育がこの問題についてどんな方向に進むのかが、最も気になるところ。
▼だが、今年お目見えした小学校用の新教科書には、具体的な言及はほとんど見られなかった。それはある意味当然で、小・中学校の指導要領では、漸く中三段階で初めて「文字文化」に関する言及があるだけなのであるから、教科書に具体的な犹愎豊瓩示されるのは、来年お目見えする中学教科書でも期待薄。
▼やはり高校用の新しい国語教科書、それも「共通必履修科目」となる「言語文化」の教科書になるのだろう。そうすると、まだ二年も先で、待ち遠しいことである。だが、その辺は実は教育界でも同様で、なお五里霧中の感があり、各教研集会や教育系の学会などでの議論を聞いても、なかなか噛み合うところまでいっていない。
▼ただ、文科省関係者の最近の説明では、学校教育で今後「文字文化」が一つの指導事項となったり、指導のカテゴリーとなっていくと考えるべきではないという。そうではなく、現代の生活の中に融けこんだ一つ一つの文字に関する事項についての学習を、「文字文化」という視点で括っていくということらしい。これなら、かなり分かりやすい。【萱原 晋】


投稿日時: 19年10月29日

この夏、あまり嬉しくない初体験をした。スズメバチに刺されたのである。
▼自宅で伸び放題になった庭木の枝落としをしていて、巣の存在に気づかずに、つついてしまった。ワーンと二、三十匹ものスズメバチが飛び出してきて襲われ、ハシゴの上にいたので逃げることもできず、三箇所も刺されてしまった。いやー、痛いのなんの。一晩痛みがひどく、二週間かゆかった――。
▼巣は保健所に頼んで駆除してもらったのだが、その専門家によると、蜂は黒色に反応するから白や黄色の服が比較的安全。「蜂は色が分からないから、黒白で物を見るんだ。濃い色は黒と同じなんだよ」とか。だが、そのときは白のポロシャツを着ていたので、「敵」と見込んだら色なぞ関係ないのだろう。
▼だが、自然界で花がカラフルなのは、蜂さんを誘って受粉の手助けをしてもらうためでは? と調べてみると、何でも蜂は紫外線が見えるらしく、あの花のカラフルな色でそれぞれに紫外線の反射率が異なり、その紫外線の微妙な反射具合が、蜂にはお気に入りの蜜の場所を教える「ハニーガイド」となっているのだとか。人間の視覚の次元で考えてはいけないわけだ。じゃあ、蜂さんたちには、ルノワールの名画はどう見えているのだろう。


投稿日時: 19年10月29日

今年も狃饕鼎硫討凌忰瓩終わり、各公募展とも会場では、搬入点数の微減傾向をかこつ感想が聞かれたが、そんな中でも、各展それぞれに将来に向けた新たな取り組みが見られ始めた年だったと言える..
▼例えば毎日書道展では、最高顧問から参事までの幹部作家の名票に、作家名のローマ字表記と作品タイトルの英訳を併記したのは、新鮮な印象だった。読売書法展でも、最高顧問から常任総務までの幹部作家の作品脇に近影写真を付し、作品名票に作家名のローマ字表記を取り入れたが、それだけでなく「QRコード」を付して入場者をびっくりさせた.
▼この「QRコード」をスマホで読み取ると、その作家の履歴、出品作品二点(本作と調和体作品)の画像、タイトル、作者の寸感がスマホに表示される仕組みで、これは流行するかもしれない.
▼そういえば、美術館などでも、こうしたスマホを活用した取り組みが急速に広がっている。たとえば横浜美術館では、展示作品にスマホをかざすことで作品の情報を画面上に表示する実験を始めており、全国の美術館・博物館でも、従来の音声ガイドを、専用機器の貸出しに代えて入場者が自分のスマホで聞けるサービスも始まっている。時代は、音を立てて変わりつつある--.


(1) 2 3 4 ... 53 »
キーワード検索
書道段級取得−《書統》
書統'19 11月号
楽しく書道を学ぶ雑誌
21世紀の書道をリードする新構想の競書誌です。

[⇒詳しく見る]
全国有名筆墨業者一覧

◎埼玉

◎東京

◎滋賀

◎京都

◎大阪

◎奈良

◎広島

◎沖縄

▽関連するキーワードで検索する
[お問い合わせ] Tel 03-3462-5251(代表)
株式会社 萱原書房/美術新聞社  〒150-0031 東京都渋谷区桜丘町29-35 ヴィラ桜ヶ丘ビル7F[アクセスを表示]
Copyright (c) 1999- KAYAHARA PUBLISHING INC.,JAPAN All right reserved.