第24回蘭亭筆会展(台湾)ひらく

掲載日: 08年12月01日 | カテゴリ: 書道美術新聞【1面】

第24回蘭亭筆会展(台湾)ひらく

「金門島」で交流活動
日・韓・台の243点出品
“国際金融危機”乗り越え


 「第24回国際蘭亭筆会書法展・台湾展」が11月21日から30日まで、台北市の国立中正紀念堂・中正芸廊を会場に開催された。

 今年は米国発の深刻な国際金融危機のさ中の開催となったこともあって、“動員”の2字とは全く無縁の「純民間の草の根国際交流展」を標榜する同筆会だけに、参加国数、出品点数等に少なからぬ影響を受け、また現地参加者も例えば韓国は例年の半数以下の一ケタ台に留まるなどの“被害”も表面化したが、しかし台北での開幕式後、“最前線の島”金門島に移動して行われた交流活動は記憶に残る集会となるなど、企画の狙いが光った開催となった。
 台湾蘭亭筆会(張炳煌会長)と国際蘭亭筆会本部(萱原晋事務総長)の主催で2年連続となった「台湾展」だが、これは昨年度に予定されていた米国ロサンゼルスが会場難から開催できなくなり急きょ台湾開催となった経緯によるもの。

 ただ、今年は国際金融危機の影響もあり、出品は日本、韓国、台湾の3カ国・地域のみからの合わせて243点(内訳は日本75、韓国62、台湾106)と、昨年を大きく下回って同展としては近年にない規模の開催となった。

 特に今回展が日・韓・台の中軸3カ国・地域だけによる開催となった点は、見方を変えれば同筆会が“自然体”の運営を貫いていることを物語るともいえ、この姿勢こそが、同展が何らの「後ろ盾」ももたずに20余年にもわたり活動エネルギーを保ち得ているゆえんとみてもいいだろう。

 今回展の開幕式は11月21日午前10時から、会場の国立中正紀念堂・中正芸廊(第一画廊)内で行われた。
 
 地元、台湾側の要人や各国代表によるテープカット、セレモニーの後、会場では例年通り1年ぶりで再会を果たした各国・地域の旧知のメンバーらによる心温まる交流・交歓風景が繰り広げられたが、しかし今年はそうした交流もそこそこにメンバーらは昼前には早くも会場を後にし、台湾のローカル便が発着する台北市内の松山空港に駆けつけ、各国・地域がそれぞれの便を利用して金門島に向かった。

 金門島は、大陸からの距離がわずか数キロという大陸に最も近い台湾領の島で、二十世紀中に大陸側から降り注いだ砲弾の数が実に累計100万発に達するという、台湾防衛の最前線の地。しかし近年、特にこの5月に就任した国民党の馬英九総統の対中融和政策もあって漸く“緊張緩和”が急速に進みつつあり、いわゆる“小三通”の一環という双方の人々が海峡を小舟で直接往来することも解禁されて、また最近では台湾軍の要塞の一部も観光客に開放されるに至っている。
 
 こうしたことから、今回現地入りした各国・地域の蘭亭筆会のメンバーらを迎えた金門県書法学会(陳添財理事長)の会員らを交えての交流活動も、かつてない大きな盛り上がりをみせ、20余年にわたる同展の史上でも、銘記されるべき活動実績となって、参加した特に“金門島初体験”の日本や韓国のメンバーらにとっては記憶に残る体験となった。

 この今回の交流活動の意義について、日本の団を率いた東南光・日本蘭亭筆会理事長は、「われわれの書を通した国際交流も、究極の目的はやはり世界平和であるべきと思う。その意味で今回金門島を訪問して交流できたことは、われわれの活動の主旨に照らしても画期的で、意義深いことだった」と話している。

 今回の日本側出品者は、以下の通り。

 【相談役】三宅剣龍、横山松涛
 【最高顧問】江口大象、
 【理事長】東南光
 【副理事長】飯高和子
 【国際理事】相川鉄崖、王海浜、古木成明、神野大光、高橋里江、富久鳴泉、中村山雨、信広友江、森岡隆、矢野千載
 【常任理事】浅田大遠、野中瑛碩、佐藤豊城、高山流水、左青石、広島白鷺、森葛一、山本青杏、桑田皓耀、島影美風、土金春川、壷内玄象、中川千華、浜崎梅甫、原旦樹、福田畔蕉、前田惣遠、葭谷 石、太田芝風、工藤柳石、熊谷直臣、小池龍水、高松慎光、千葉彩慧、那須澄光、西宇明美、橋口和代、古川洵光、古川梨花、松村修好、森田翠渓、守本文雄、山中泰河、米山素光、石野孝子、井上梅雪、大林佳代、乙幡雅子、小原行幸、鴨井白汀、木村順子、国吉真雲、倉本暢光、坂口大軒、高橋潤、橘由紀、田中茂子、千葉敏代、永井紫風、橋本桃苑、羽田翔香、原田清子、平井頌光、広瀬翠泉、福本早矢賀、藤沢万季代、藤野龍峰、本岡枝香、森岡彩光、森島教子

 蘭亭筆会に関する問い合わせ等は、〒150−0031東京都渋谷区桜丘町29−35 TEL03−3462−5251美術新聞社内の事務局へ。



(書道美術新聞 第904号3面 2008年12月1日付)



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