第19回書学書道史学会大会開く

掲載日: 08年12月01日 | カテゴリ: 書道美術新聞【1面】

第19回書学書道史学会大会開く
大会風景(11月30日)
発表11件、講演2件
神戸大会場に
総会で「研究局」正式発足


 書学書道史学会(古谷稔理事長)の第19回(2008)大会が11月29、30の両日、神戸市の神戸大学国際文化学部を会場に全国から約150名の会員らが参加して開催された。

 今大会での発表は計11件で、このほか緊急協議1件、記念講演1件がプログラムに織り込まれて準備が進められてきたが、外部事情で緊急協議は急きょ、今回大会のホスト役で神戸大の魚住和晃教授(学会諮問委員)の特別講演に切り替えられた。

 来年度大会は平成21年11月7、8の両日、東京の日本大学文理学部・百周年記念会館を会場に開催の予定となっている。【本紙六、七面に大会全発表要旨】


 今年の同大会は、例年通り前日の28日午後に同じ神戸市内の三宮ターミナルホテルで開催の、第45回定例理事会で幕を開けた。

 定例理事会には今年も、全国から理事会諮問委員らもオブザーバーとして参加して、19年度事業・決算各報告(案)・20年度予算・事業各計画(案)などの総会提出所定案件をそれぞれ決定したほか、今回大会総会で会則改正手続きを経て正式にスタートする新部局「研究局」関係の所要の決議、また来年の設立20周年の節目に当たっての記念事業を推進するための「検討委員会」の設置、次期国際大会の開催へ向けた諸問題などについて、突っ込んだ協議を行った。

 また、編集局を中心に検討を進めてきた学会誌の新査読規定についても、総会に報告する成案を決定、来年度刊行の第19号の『書学書道史研究』から適用することも決まった。


 大会は翌11月29日、午前9時から受け付け、同9時30分からの本年度総会でスタートした。

 総会は、魚住委員の開会の辞、古谷理事長の挨拶の後、萩信雄委員を議長に選出して議事に入り、

▽役員改選(本年3月)に関する選管委員長報告(浦野俊則委員長)
▽研究局設置のための会則改正案承認(萱原晋事務局長)
▽19年度事業報告・会計報告(事務局長)
▽監査所見(浦野監事)
▽編集局報告(中村伸夫局長)
▽学術局報告(森岡隆局長)
▽国際局報告(河内利治局長)
▽国内局報告(横田恭三局長)
▽会報委員会報告(柿木原くみ委員長)
▽財務委員会報告(杉浦妙子委員長)
▽20年度予算案・事業計画案(事務局長)

 などの各報告・議案を、いずれも満場一致で承認・可決して、すべての議事を終えた。これらの総会決定事項のなかでは、20年度予算に来年度に向けた「20周年事業特別会計」への繰り入れ金として100万円が計上されたことが注目された。

 総会終了後は引き続き研究発表に移り、まず午前11時から12時30分までの午前中に、

(1)「古典筆墨書跡における模本作成技法の解析‐コンピュータ画像処理による分析方法の開発と展開」 和田彩(神戸大学院生)
(2)「董其昌有紀年論書に見る王羲之観」 尾川明穂(筑波大学院生)
(3)「西川寧による金文を素材とした書作品について」 深田邦明(越谷西高校教諭)

の3件の発表が行われた。

 昼食休憩の後、引き続き午後は1時20分から3時20分まで、

(4)「陳鑑本と陸継善本蘭亭序」 高木義隆
(5)「明治三十三年〈小学校令〉以前の仮名統一と諸問題」 高城弘一(大東文化大学准教授)
(6)「銭痩鉄とその周辺‐谷崎潤一郎を中心に」 柿木原くみ(相模女子大学准教授)
(7)「開通褒斜道刻石銘文再考」 萩信雄(安田女子大学教授)

の4件の発表が行われ、休憩後の午後3時40分から5時20分まで予定の「緊急協議」では、今夏のプログラム決定時点でテーマとして予定した高等学校用の「新学習指導要領」が政界のごたごたの影響もあって年明けにずれ込む見込み違いが生じたことから、魚住教授による「書のグローバル化のために」と題する特別講演が行われた。

 またこの日の夕刻には、発表会場と棟続きの生協食堂を会場に恒例の懇親会が和やかに催された。

 翌30日は、前日に引き続いて午前10時から、

(8)「田辺玄々の自刻法帖をめぐって」 鈴木洋保(京都女子大学講師)
(9)「近代以降の顔真卿の研究について」 宮崎洋一(広島文教女子大学教授)
(10)「書道学の文化財保存への対応に関する諸問題」 安達直哉(大東文化大学教授)
(11)「本阿弥光悦筆和歌巻の特徴‐鶴下絵和歌巻を中心として」 森岡隆(筑波大学准教授)

の、4件の研究発表が行われた。

 引き続き昼食休憩後の午後1時からは、学会監事の名児耶明・五島美術館学芸部長による記念講演「書の特別展の裏話あれこれ‐昭和蘭亭記念展から春敬の眼展まで」が行われ、全日程を終えた。

 同学会に関する問い合わせ等は、TEL03−3462−5251/FAX03−3464−8521 美術新聞社内の学会事務局へ。



(書道美術新聞 第904号1面 2008年12月1日付)



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