日本近現代書道“名作総覧”刊行へ

掲載日: 08年09月01日 | カテゴリ: 書道美術新聞【1面】

【本社創立30周年記念事業 第2弾】
 日本近現代書道“名作総覧”刊行へ

 明治〜現代、3分冊で
 萱原本社主幹責任編集
「平成以降編」は現存作家も


 美術新聞社/萱原書房はこのほど、今年本社が法人創立30周年の節目に当たるのを記念して進めている記念事業の一環として、「日本近現代書道‐名家名作・重要作品‐総覧」(仮称)を刊行する方針を固めた。

 本書は書道評論の泰斗、田宮文平、小野寺啓治両氏の助言・協力を得て萱原晋本社主幹の責任編集の形で編む画期的な猝昇鄙輙瓩箸靴董∪茲亡覯菷表済みの「日本〈近・現代書道/有名有力団体〉書道史資料集成」(『年鑑・書道』付録として刊行)と相互補完性をもつ大型出版企画で、明年春の発売を予定。

 これにより書道界は、明治以降の「近・現代」を考える上で極めて確度の高い典拠をもつこととなり、立ち遅れている学際的な取り組みにも急進展が期待される。

田宮、小野寺両氏が協力
 「総覧」は、「わが国の近・現代の書道史を考える際に漏らすことのできない名家巨匠・重要ポジションの作家らの定評ある名作傑作、また専門的見地から評価銘記されるべき重要作品を網羅的に一冊にまとめて鑑賞・参照と研究の用に供するとともに、日本の誇る書文化の金字塔として永く後世に残す」ことを主旨とするもので、最終的な収録作家・収録作品についてはまだ鋭意検討中の段階だが、既に固まっている大筋によると、まず書籍としての体裁はA4判上製、総ページ数は1,000ページを超える規模を予定。

 これを作者の没年で〔声・大正・昭和戦前編⊂赦太鏝緤圻J神以降編、の三分冊に分けて作品を収録する予定で、収録作家数はまだ流動的だが、,韮械亜腺毅位承模△韮隠娃亜腺隠毅位承模で100名前後の規模を見込んでいる。については、現存作家の扱い方次第で多少変動する可能性もある。


 日本の書道における「近・現代」の概念については学界での見方も分かれるところだが、「没年が明治以降」「本人が書道人・書家として自覚、自認」「当時の社会や書道界が書道人として認知」等々の要件で選ぶことになりそう。

 この括りによると、貫名菘翁らのいわゆる幕末の三筆はすべて没年が明治以前のため対象からはずれることになり、例えば,鰐声38年没の巌谷一六から昭和20年の東京大空襲で亡くなった河井筌廬、△肋赦贈横映没の田代秋鶴から同50年代没の手島右卿、松井如流、といった作家が対象となる。


 各作家の収録作品については、デビュー作、ピーク作、主な代表作・重要作等を一定の基準で選び、図版・作品データ・作家データをそれぞれ適当ページ数配当して収録したい考えだが、一作のみの掲載となる作家や、既に作品は失われ画像のみが残るといったケースなどもないとはいえない。

 このため、掲載図版の印刷品質にこだわり過ぎると作品の探索等で時間や経費が掛かりすぎることも考えられ、収録作品の一部は既存の画像データや当時の印刷物からの転載といった、機動的な編集ポリシーで当たる方針。


 なお、本書の編集・出版に当たっては、当然本社30年の基本理念に従って「掲載料」、「賛助費」等は一切無料とする考えで、巨額にのぼる出版経費は書道界内外からの本書への需要だけに依存することとし、定価15,000円、予約特価12,000円(いずれも税込み)を予定、広く協力を要請することにしている。


 本書に関する問い合わせ等は、〒150‐0031東京都渋谷区桜丘町29‐35 筍娃魁升械苅僑押升毅横毅院“術新聞社内の萱原書房「総覧」編集部へ。



(書道美術新聞 (第898号) 2008年9月1日版 1面)



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