“日展改革”最終案固まる

掲載日: 14年08月01日 | カテゴリ: トップ記事

日展の記者会見風景(7月29日)犇愡濟項疆、明文化
日展会見
今年の「要綱」も発表


 日展事務局は7月29日、記者会見を開き、昨年秋に新聞報道で明らかになった日展五科(書)の審査疑惑問題を受けてスタートさせた「日展改革検討委員会」が立案し前日までに総会での承認手続きを終えた組織改革と展覧会運営に係るシステム改革の詳細を発表した。
 
 またこれに合わせて、今秋開催予定の平成26年度「日展」を「改組新・第一回日展」として開催する方針を明らかにするとともに、同展の開催要綱、人事等についても発表した。
 
 これにより、今年の日展も例年通りの規模と会期・会場で開かれることが、本決まりとなった。(本紙2、4面に関連記事)
 ◇ ◇ ◇

 発表によると、まず組織改革については、従来の定款が設けていた理事定数を大幅に削減したほか、「会長」「参事」「参与」「評議員」等のポストの廃止や、業務執行理事としての「常務理事」の廃止、「顧問」の権限の縮小などを、次のように発表した(要旨)。
 
 
 1、会長・顧問について
▽「会長」職を廃止▽「顧問」は名誉職とし、理事会への出席、意見表明、審査員を決定する会議への出席の権限をなくす。

ただし、必要に応じて意見を聞く機会(顧問会議等)を設ける。


 2、役員(理事・監事)
▽「理事」の定数を削減し、20名以上27名以内とする。

また外部識者より理事2名・監事1名を招聘▽「常務理事」を廃止し、理事のうち1名を理事長、五名以内を副理事長とする。


 3、諮問委員会(仮称)の設置
▽理事会の諮問に答える委員会として、外部識者を含めた諮問委員会(仮称)を設置する。


 4、参事・参与・評議員
▽「参事」、「参与」、「評議員」を廃止し、すべて「会員」とする。


 5、会員資格の取得
▽「出品委嘱者」(特選2回受賞)を「準会員」に変更する方針。


 6、審査員、審査に関する改革については、審査員就任後の事前指導・下見の禁止、出品予定作品の写真等の送付・提示の禁止、入選後・特選選定後の審査員への謝礼禁止などのため、日展規則を下記の通り変更する。
 
 (以下、傍線は変更部分)
▽第18条 審査員は、鑑審査の経過を洩らしてはならない。


2)審査員は、鑑審査前において、会派による研究会などでの指導、下見を行ってはならない。


3)審査員は、鑑審査の前後を問わず、第4章において定める出品者から金品を受け取ってはならない。


4)審査員以外の者は、審査に介入してはならない。


5)本条における違反を発見したときは、審査員については直ちに審査員を解任し、以後、理事会の決議により審査員に選任せず。

また審査員以外のものについても、同様とする。

ただし、違反が軽微な場合は、その期間を限定することがある。



▽第33条 本章に掲げた各条項のほか、出品者に対し、各年度の日展開催要綱に守るべき条項を掲げることができ、これらに対する違反を発見したときは、直ちに出品を取り消し、以後、理事会の決議により出品を認めない。

ただし、違反が軽微な場合は、その期間を限定することがある。



 7、開催要綱に、新たに次の事項を掲げる
1)審査については、審査員全員の合議により決定する。


2)出品者に対し、各年度の日展開催要綱に守るべき事項を掲げることができ、これらに対する違反を発見したときは、ただちに出品を取り消し、以降、理事会の決議により出品を認めない。

ただし、違反が軽微な場合は、その期間を限定することがある。


3)審査員に対し、事前に応募作品の写真・画像を送付・提示してはならない。


4)審査員に対し、審査の前後を問わず、金品を贈ってはならない。


 8、審査員の選任については、次のようなに定める
1)「審査員候補者推薦委員会」を新設し、理事会に推薦する審査員の候補者を選考し、それを受けて理事会が審査員を決定する二段階の選任方式とする。

なお、審査に当たっては、作品本位の審査をするので、審査員の選任に当たっても、会派における会員数を意識した選任方法は採らない。


2)応募作品の鑑査および特選の選考、大臣賞・日展会員賞の選考については外部審査員(各科三名以内)を導入する。


3)当面は顧問を審査員に選任しない。


 9、審査経過の記録等について、次のように定める
1)全審査過程をビデオ撮影し、審査後、問題が生じた場合の検証材料として保管する。


2)非番(審査員でない)理事と外部識者で構成する「審査監査室」を新設し、入選作品の鑑査段階からその様子を巡視する。


3)各科は審査員長に対し、審査過程およびその結果を文章にて報告し、審査員長の命により事務局はこれを保管する。

その文章による記載の事項については、別に定める。


 10、第五科(書)の審査について、次のように定める
1)会派についての「区分番号」を廃止する(審査に当たっては、会派については一切考慮しない)。


2)篆刻は出品数が少ないため、その審査員について複数名を選任することは難しいので、今後は篆刻の審査は最初から漢字、仮名、調和体部門の審査員全員で行うものとする。


 11、その他に関する改革について
 「大臣賞」授与の対象については、会員だけでなく一般応募作品も対象に含める。


(資料)
【定款変更】
●第21条(変更後)
 この法人には、次の役員を置く。
(1)理事 20名以上27名以内
(2)監事 3名
2・理事のうち1名を理事長、5名以内を副理事長とする。
3・前項の理事長をもって一般法上の代表理事とし、副理事長をもって同法第91条第1項第2号の業務執行理事とする。
●同条(変更前)
 この法人には、次の役員を置く。
(1)理事 35名以上45名以内
(2)監事 3名
2・理事のうち1名を理事長、2名を副理事長、10名以上28名以内を常務理事とする。
3・前項の理事長をもって一般法上の代表理事とし、副理事長及び常務理事をもって同法第91条第1項第2号の業務執行理事とする。

●第34条<削除>
●同条(変更前)
 この法人には、会長を1名置くことができる。
2・会長は、理事会でこれを選定し、理事長が委嘱する。
3・会長は名誉職とする。
4・この法人の会員である会長は、理事会に出席し、意見を述べることができる。

●第35条(変更後)
 この法人には、顧問を置くことができる。
2・顧問は、日本美術展覧会に尽くした功績が著しい者、または美術に関し高邁な識見を有する学識経験者の中から、理事会の決議により選定した者を、理事長が委嘱する。
3・顧問は名誉職とする。
4・顧問の定数は30名以内とする。
5・顧問は、この法人の運営に関し、理事会の諮問に答える。
●同条(変更前)
 この法人には、顧問を置くことができる。
2・顧問は、日本美術展覧会に尽した功績が著しい者、または美術に関し高邁な識見を有する学識経験者の中から、理事会の決議により選定した者を、理事長が委嘱する。
3・顧問の定数は30名以内とする。
4・顧問は、この法人の運営に関し、理事会の諮問に答える。
5・この法人の会員である顧問は、理事会に出席し、意見を述べることができる。

●第36条<削除>
●同条(変更前)
 この法人には、参事及び参与を置くことができる。
2・参事は、この法人の理事経歴者及びこれに準ずる資格を有する者の中から理事会の決議により選定した者を、理事長が委嘱する。
3・参与は、この法人の会員、又はこの法人の事業に理解を有する学識経験者の中から理事会の決議により選定した者を、理事長が委嘱する。
4・参事の定数は25名以内、参与の定数は100名以内とする。
5・参事及び参与は、この法人の事業に関し理事会の諮問に答える。

●第37条<削除>
●同条(変更前)
 この法人には、評議員を置く。
2・評議員は、この法人の会員の中から、理事会の決議により選定した者を、理事長が委嘱する。
3・評議員の定数は、200名以内とする。
4・評議員は、必要に応じ理事会の決定により理事長の招集する評議員協議会を開催し、次の事項について、理事会の諮問に答える。
(1)日本美術展覧会に関する重要事項
(2)定款の変更
(3)その他この法人の運営に関する重要事項で、理事会が必要と認めた事項
5・評議員協議会の議事の運営は、理事会において定める。



日展・五科【書】会員名簿(最新版)

【顧問(2名)】日比野光鳳、古谷蒼韻
【理事(4名)】新井光風(理事)、井茂圭洞(常務理事)、杭迫柏樹(常務理事)、黒田賢一(常務理事)
【会員(95名)】赤江華城(参与)、浅見錦龍(参与)、有岡 崖、池田桂鳳(理事)、石田雲鶴、石飛博光(評議員)、石永甲峰、泉原寿巌、市沢静山(評議員)、一色白泉、今村桂山(評議員)、岩井韻亭、岩永栖邨、植松弘祥(参与)、牛窪梧十、海野涛山、梅原清山(参事)、江口大象(評議員)、榎倉香邨(参事)、遠藤彊、大井錦亭(参与)、大河内仙嶽(評議員)、大沢城山、大重 石、大西きくゑ、大平匡昭、岡田契雪(評議員)、尾崎邑鵬(参事)、角元正燦(評議員)、加藤子華、河野隆、草野靄田、黒野清宇(参事)、後藤秀園、小山やす子(参事)、佐伯華水、佐川倩崖、貞政少登(参与)、座馬井邨、師田久子、清水透石(評議員)、師村妙石、芝松翠、鈴木春朝(評議員)、鈴木瑞之、関吾心、関正人(監事)、田頭一舟、高木厚人(評議員)、高木聖雨、高木聖鶴(参事)、田中節山(評議員)、樽本樹邨(理事)、津金孝邦(参事)、辻元邑園、土橋靖子、土井汲泉、内藤富卿、内藤望山、中川裕晧、中島藍川、中野北溟、中林蕗風(参与)、中村伸夫、楢崎華祥、西村自耕、西村東軒、原田玉童、日比野実、藤岡都逕(評議員)、星弘道(理事)、甫田鵄川(参事)、前島泉洲、真神巍堂(評議員)、松清秀仙、松永暘石、三岡天邑、宮崎葵光(評議員)、宮重小蘭、村上俄山(参与)、村寄鴨畦、毛利柳村(参与)、望月和風、森川星葉、森嶋隆鳳、森田彦七、八木山鈴、安原皐雲(参与)、山田勝香、山根亙清、山本悠雲、横山煌平(評議員)、吉川蕉仙(理事)、吉川美恵子、和中簡堂
※この名簿は美術新聞社が独自調査で作成しました(カッコ内は旧資格です)



(書道美術新聞 第1035号1面 2014年8月1日付)



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