“採試”実施、過去最高

掲載日: 14年06月01日 | カテゴリ: トップ記事

芸術3教科の採試実施状況書道教員採用に明るさ
本社調査
再開後の継続、くっきり



 美術新聞社はこのほど、今年の夏に全国の各都道府県教委が実施する公立高校の教員採用試験における「書道教員」試験の実施状況の調査をまとめた(前号一部既報)。
 
 それによると、今年は最終的に計21府県が実施することが分かった。
 
 書道教員の採試実施府県数が20を超えたのは、本社がこの問題での調査報道をスタートさせた約20年前以降では初めてで、ちょうど10年前の平成16年の夏に試験が実施されたのは全国で僅か4県に留まり、その前何年もの間も一ケタ台の年が珍しくなかったことを考えると、状況は明らかに好転していると言えそうだ。
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 今年試験を実施するのは、本号4面の記事とも一部重複するが、山形、福島、茨城、埼玉、千葉、富山、岐阜、三重、大阪、兵庫、島根、岡山、広島、山口、香川、徳島、愛媛、福岡、佐賀、鹿児島、沖縄の21府県で、近年では稀な好成績となった。
 
 もっとも、この「21府県」という数字は実は、3年前の23年夏に実施された採試でも本紙が報道した事実がある。
 
 
 だが同年の調査結果として、「実施」とカウントした青森県の採試が、後日の確認調査で実際には「特別支援学校教諭」枠でのもので、「書道」教員免許の保持を条件としただけだったことが判明。
 
 このため、翌24年夏の本件に関する報道での本紙上の牴甬逎如璽伸瓩蓮◆孱横杏楔」に修正している。
 
 
 なお、同種の調査は全高書研の調査部も行っており、大会で発表されているが、そのデータと本紙のデータとでは、しばしば若干の差が生じている。
 
 これは、本紙の調査が各都道府県教委が試験実施要項を発表した時点で行う、いわば事前調査で、一方の全高書研は事後に各県に置かれた下部組織からの報告を基にしたもの、という事情が影響していると考えられる。
 
 
 全高書研の調査による今年の実施状況はむろん未発表だが、同研のデータによる近年の過去最高はやはり3年前の、本紙が「20府県」と修正した年の「21府県」で、これから見ても今年の実施状況が高水準であることは間違いないところといえよう。
 
 
 次に、「書道」が属する「高校芸術科」の他科、「音楽」と「美術」の近年の採試の実施状況と比較してみたのが別表で、やはり両科にはまだ水をあけられているとはいえ、こうして「20府県」規模を確実なものとしていけば、近い将来、「音楽」や「美術」と肩を並べることも決して夢ではなさそうだ。
 
 
 そうした意味ではたとえば、高校書道関係者らの粘り強い働きかけで2年前に24年ぶりに実施が実現した福岡県で今年も実施され、これで3年連続、4年前に25年ぶりに実施された兵庫県で今年も5年連続、5年前に30年ぶりに実施された徳島県で今年も6年連続で実施されることを見ると、一度キッカケをつかむとその後も引き続き実施される傾向が、はっきりと見てとれるのである。
 
 
 もっとも、むろん全部が全部そうという訳ではなく、23年に30年ぶりに実施した群馬県は、翌年から再び“沈黙”して今年も実施はなかった。
 
 同じく23年に15年ぶりに実施した奈良県は、その後3年連続で実施したが今年はゼロ回答と、状況は決して一色ではないが、しかし長い沈黙を破って実施が実現したケースでは、その後の対応にも期待がもてることは、データが証明している事実といっていいだろう。
 
 
※4面の関連記事では「採用年」でデータ管理をしていますが、一面では記事の性格上、“試験実施年”で表示しています。(編集部)



(書道美術新聞 第1031号1面 2014年6月1日付)



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