『書の古典と理論』、30日発売

掲載日: 13年03月01日 | カテゴリ: トップ記事

全国大学書道学会、新編
光村図書版
書道教員養成用爛謄スト



 大学書道三学会の一角、全国大学書道学会(平形精一理事長)が3年越しで刊行計画を進めてきた、教員養成系大学学部等における高校書道教員の養成課程向けの総合テキスト『書の古典と理論』が完成し、版元となる光村図書出版からこの3月30日に発売の見通しとなった。
 
 新テキストは、同学会の役員を中心に有力会員48名が手分けして編集・分担執筆したものだけに、新知見もふんだんに盛り込まれ、内容的な信頼度も高く、今後、教育界はもとより書道界一般をも広く裨益する指導者向けの手引きとなるものと期待される。(本紙6面に関連記事)
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 今回誕生する新テキストと同種の高校書道教育や書道教員の養成課程向けテキスト類としては従来、全国各地の高校書道の教研組織などによって編まれた「資料集」(神奈川高書研編『書道資料集‐書の世界』ほか)や、春名好重・三浦康広・杉村邦彦責任編集の中教出版版『書の基本資料』(全19巻、平成2年初版)などが知られ、幅広く活用されてきた。
 
 
 しかし、各地の教研組織によるものは流通面のネックが伴いがちで、また中教出版版については同社が10年ほど前に経営破綻し、要請を受けた萱原書房が債権者に押さえられていた在庫の流通を肩代わりして供給を続けてきたものの、これも大半の巻が品切れ状態となったことから、時代に合った新たな「資料集」の誕生が待ち望まれていた。
 
 
 そこで同学会では、内外からの要請も受け、平成21年に告示された新学習指導要領にも準拠した新テキストの作成に乗り出し、平成22年から最高幹部陣を中心とした「高校書道科免許状テキスト(仮称)」刊行検討委員会を設置するとともに、会員に対し意見や要望を募るアンケート調査なども実施。
 
 その結果から、一定のニーズがあるとの判断に立って、本格的に計画をスタートさせた。
 
 
 当初は昨年3月の刊行をめざしていたが、一昨年の大震災・原発事故の混乱などもあって進行にも遅れが出、一時は前途多難を思わせたが、採算面から最大のネックと見られていた流通面も教科書の編集などで同学会関係者とも深いつながりをもつ光村図書出版が支援に乗り出し版元を引き受けたことから、4月の新年度からの採用へ向け今春刊行の運びとなったもの。
 
 
 新テキストは、A4判176頁でオールカラー、定価2、000円。
 
 古典編、理論編、資料編の3部構成で、目次を見ると、まず古典編は中国書道史に56頁を充てて甲骨文から趙之謙・呉昌碩まで、日本書道史には24頁を割いて宇治橋断碑から日下部鳴鶴までを取り上げている。
 
 次の理論編は、第一章「文字・書の意義と特質」から書き起こし、第二章「書の表現と鑑賞」、第三章「書の変遷」、第四章「書論・論説」、第五章「書写書道教育の理論と実践」の各章に計68頁。
 
 その後に学習指導要領や字源、用語解説、博物館リスト、史跡や文房四宝の産地、略年表などまでと、至れり尽くせりの17頁の資料編が続いており、記述が多少専門的過ぎるきらいもなくはないが、書人も愛好家も座右において損のない1冊といえそうだ。
 
 
 同書は全国の書店で注文できるが、問い合わせ等は筍娃魁檻械苅坑魁治横隠隠韻慮村図書出版へ。



(書道美術新聞 第1002号1面 2013年3月1日付)



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