新講座「続・臨書範」本号スタート

掲載日: 12年09月01日 | カテゴリ: トップ記事

まず「温泉銘」課題に
犒醂禧ソ餃瓠‖茖渦鹹切は、11月25日


 美術新聞社/萱原書房は本号から本紙に、新たな「臨書講座」の連載を、第1講「唐太宗・温泉銘」(1)としてスタートさせる。
 
 本企画は、既に創刊30年を超え、通巻1000号の大きな節目を目前にする本紙が、未来志向に基づく新しい書文化・書芸術振興活性化運動として書道界に広く提案するもので、競書システムを備え、読者各位の幅広い参加を期待している。
 
 なお講座の名称については、本紙が昭和59年秋から同62年夏まで当時の金子鴎亭、手島右卿、宇野雪村の3巨匠・大家を指導陣に連載し大きな反響を呼んだ「現代臨書範」の後継企画としての位置づけを鮮明にする狙いで、「続・臨書範」と銘打つことにした。
 
 以下に、本企画の総監修で主任講師を務める小川東洲氏(米ハーバード大客員教授)に講座の狙いなどを話してもらった。(本紙3面に関連記事、10・11面に第1回講座)
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「続・臨書範」総監修 小川東洲氏に聞く
本号は犁念付録瓩箸靴堂歛衒韮暇臉濤中

 ――新講座の特徴は。

 小川 今回のこの講座では、「臨書」を特別変わったやり方で考えて頂こうとしている訳ではありません。外国語学習でも習慣化ということが強調されるのと同様に、何もかもが、ともすれば表皮的表面的理解で済まされがちな今日的傾向の中で、時に見失われてしまいそうなこの書という自国文化の正体について、改めて思いを致す機会にして頂ければ、ということで参画致しました。


 ――本紙では以前にも、臨書講座を連載しました。

 小川 昭和末期に書壇的に幅広く話題を呼んだ本紙の「現代臨書範」の連載から、早30年近くになりますね。今回、講座の再開に当たり私も編集部の方々と、かつての「現代臨書範」に載った先生方の範書やご意見につぶさに目を通してみました。当時の先生方は既に皆、故人となられましたが、それぞれに書の伝統や「臨書」の大切さを真剣に説いておられ、とくに「伝統」については「手抜きをしないこと」「手間を省かないこと」と強調されているのが非常に印象に残りました。


 ――新講座は「続・臨書範」と名づけられました。

 小川 書はいつの時代でも、今日(こんにち)、ただ今と向き合うものでなければなりません。ですから、敢えて「近代」とか「現代」という言葉を冠さずとも、我々の姿勢でそれを示せれば十分ではないかとの考えから、「続・臨書範」を提案致しました。


 ――今回は特に「展大臨書」を取り上げています。

 小川 これも、特別な意味のあることではありません。歴史を振り返っても、書が手紙文字の小さなものから、次第に鑑賞用に大きく書かれるようになったように、筆のはたらきは大書を通して確認するのが効果的です。ですから学書でも、大書して表象的に見てみる「展大臨書」は、理に叶った方法だと思います。ただ、誤解しないで頂きたいのは、単に文字の大小の問題ではないということ。大きく書くことの意味や、理由について書本来の認識を持って頂きたいということです。むろんその結果として「大字書」「少字数書」の基礎演習の機会ともなれば、これに越したことはありませんが…。


 ――学書の目ざすもの。

 小川 「臨書」は、書の理(ことわり)について、技を通して学ぶ営みです。そこでは常に、文字の新鮮な蘇生、書の生命力の回復が期待されています。ですから書家は、「臨書」を通して、「書の救出活動」に参加すること、「書の伝統顕現のためのレスキュー隊」的な役割を担うことが求められているとも、いえると思うのです。


 ――伝統への回帰。

 小川 私はよく、あの壷から手が抜けなくなった欲張りサルの寓話を思い出します。手が抜けないのは、持ち過ぎているか、つかみ過ぎているからです。一度、手を離して、伝統の本来に立ち帰ることができれば、また新たな蘇生や進化の可能性も出てくるのです。「臨書」とは、そういうものではないでしょうか。


 ――初心を忘れずに。

 小川 そう。登山家は、いつも谷底から出発するといいます。書家も登山家と同じように、常に初心を忘れず、あるいは初心に立ち帰る機会をもって、牛歩のごとく一歩ずつ進んで行きたいものだと思います。そして、人間について「人となり」をいうように、「書となり」というものを考えていくキッカケにもして頂ければというのが、講座を始めるに当たっての私たちの共通の願いでもあるわけなのです。(文責=編集部)


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 新講座は、本号から毎月1回15日付紙上に課題を載せて読者から広く「臨書習作」を募集し、毎1日付紙上に成績発表と優秀作の写真版を載せる「紙上コンクール」とします。
 
 紙上での別名・筆名の使用はご自由です。
 
 「習作」の締め切りは、毎回の課題掲載の翌々月25日とします。
 
 従って、本号(9月15日付)の掲載課題に対する「習作」の締め切りは11月25日、成績発表は25年1月1日付の紙上となります。
 
 審査は当面、1)特選、2)秀作、3)佳作、4)入選、5)選外にランク付する絶対評価で行い、所定ポイントを付与します。
 
 課題はまず「温泉銘」を取り上げましたが、1種類の古典は4カ月連載とします。
 
 これにより、年間3種の古典を順次取り上げていきます。
 
 
 本号では「スタート記念付録」として、正規の課題掲載ページのほかに一律2枚の「配布用課題ページ」を増刷して折り込みしています。
 
 次回(10月15日付)からは、本紙の正規読者は1部につき5枚まで課題ページを追加注文して頂くことができます。
 
 課題ページの料金は、1枚130円です。
 
 「習作」は4種のサイズで募集し、「出品シール」を貼った出品券を添付することにより、購読者および課題ページ保有者はどなたでも何点でも応募できます。
 
 「出品シール」は1枚500円、11枚綴り5千円です。
 
 美術新聞社/萱原書房販売部へ、お申し込みください。
 
 講座に関する問い合わせ等は、筍娃魁升械苅僑押升毅横毅院◆。藤腺悖娃魁升械苅僑粥升牽毅横韻糧術新聞社・臨書講座係へ。
 
 
【美術新聞社/萱原書房】
《続・臨書範》 参加の手引きについて詳しくは本紙3面記事を、ご覧ください)


(書道美術新聞 第991号1面 2012年9月1日付)



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