中国美術市場調査室開設

掲載日: 12年02月01日 | カテゴリ: トップ記事

本社が“新部署”を設置
専任アドバイザー
無料鑑定会など実施へ


 美術新聞社はこのほど、社内に新部署として「中国美術市場調査室」を設けることを決めた。
 
 これは平成16年以来、本紙上に随時紙面を割いて続けてきた「書美新・紙上蚤の市」が今月の掲載分で第100回となったのを機に、最近の中国での美術品オークションの活況ぶりを受けて増えている、中国古今の書画作品などの市場情報に関する問い合わせや流通相談に対し、一層有効適切なアドバイスを可能にするための方策で、合わせて本社主催で随時、個別に本格的な鑑定と助言・支援などを行う「無料鑑定相談会」なども開催していく方針。
 ◇ ◇ ◇

 現在、日本の書道界を中心に広く収蔵されている中国の特に明清代を中心とする書画等の作品については、質量両面で相当の水準・規模にあることは、国際的にもよく知られている。
 
 このため、近年の中国経済力の高まりに伴う中国国内のコレクターの急増を受け、日本がその作品の市場への“供給源”としてクローズアップされつつあり、オークション会社の意を受けたブローカーなどが頻繁に作品買い付けに来日しているといわれる。
 
 
 しかし、こうした状況を前にして、中国での美術品流通の仕組みにも暗く、正確な情報を持ち合わせない日本側は、しばしば不当に安く買い叩かれたり、預けた作品が中国で持ち出し禁止(注参照)の憂き目に遭うといった事例も、少なからず伝えられている。
 
 
 そこで美術新聞社は、「日本の収蔵家の利益を守る」見地から、「紙上蚤の市」と平行してかねてより、この問題に関する「アドバイザーデスク」を開設して電話相談などに応じてきた。
 
 だが、徐々に片手間では手に負えないケースも多くなってきたことから、新たな専門部署を設置するとともに、中国の美術品市場や、オークション業務に精通した専任のスタッフを配置して、書道界などからのニーズに応えようとするもの。
 
 新部署の業務開始は、2月中旬の予定。
 
 
 問い合わせ等はFAX(03−3464−8521)で、美術新聞社内「中国美術市場調査室」(担当=李暁英)へ。

 ◇

【注】中国政府は従来から、「文物保護法」により歴史上の全ての芸術品や文献、資料などの文化財を厳しく管理しており、国務院が特別に許可したものと、所定の年次以降のもの以外の文化財の国外持ち出しを禁止してきている。


 2007年6月に、その国外持ち出しに関する規制年次が改正され、従来は「1795年以前の文化財」の持ち出しを禁止していたのを、辛亥革命の「1911年以前」が、禁止対象となった。
 
 その上、特定の作家の作品など特に重要な文化財に関しては「1949年以前」、少数民族地区の文化財に関しては「1966年以前」にまで、規制の幅を広げた。
 
 
 このため、中国で譲り受けたり、不用意に中国に持ち込んだりした中国文化財が、空港や港で持ち出しを差し止められるといったトラブルが、多発している。



(書道美術新聞 第977号1面 2012年2月15日付)



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