北京匡時 春のオークション開く

掲載日: 11年07月01日 | カテゴリ: 書道美術新聞【1面】

巻子に買い気
市況やや落ち着き?


 ここ数年の中国美術品市場の「沸騰」ぶりについては例えば、「日本旧蔵の黄庭堅に50億円」「三島氏旧蔵王鐸に5億円」「斉白石の書に50億円」といったニュースでもその都度、お知らせしている通り。
 
 今回もこの6月に催された北京匡時拍売(カウンシル・オークション)における落札データをお届けするが、相変わらず値を飛ばす作家作品がある一方で、同じ作家の作品でもエスティメート(落札予想価格帯)の範囲での落札も増える傾向にあり、市況も多少落ち着きを見せ始めているといえるかもしれない。
 
 以下は、今回の「明代書法」「古代書画」「辛亥以降書法」の3市場に出品の600余点の作品(落札率90%前後)から、スペースの許す範囲で125点をリスト化してみた。(本紙1、3面に)
 ◇ ◇ ◇

 オークションにおける「エスティメート」は、「標準価格」と訳されることも多いように、主催者が概ね客観的な基準で付けているものであるが、時には意図的に低く付けている場合もないとはいえない。
 
 今回、敢えて同じ作家の作品をまとめてリスト化してみたのは、その辺のあぶり出しも目的の1つである。
 
 
 今回の最高値はご覧のように文徴明の巻子で、日本円に直すと2億8000万円(1元13円弱で計算)。
 
 この作品が、類似の巻子もある中でエスティメートの五倍まで値がついた理由は不明。
 
 次が王鐸のこれも巻子で、約1億7000万円。
 
 王鐸にはもう1点、1億円を超えた巻子がある。
 
 王鐸は前回(昨年12月開催)、長条幅に5億円がついたばかりだからそう驚かないが、そういえば今回は長条幅で1億円を超えた王鐸はなかった。
 
 3番目が張瑞図のこれも巻子で、ちょうど1億円見当。
 
 これらトップ3(他に沈周に1億円強が見られるが、これは画冊である)が全て巻子なのは、特定のコレクターの買い出動があったためなのかもしれない。
 
 
 このほか、ここに図版で紹介した約6000万円の趙之謙の扁額、約4600万円にもなった董其昌の臨書帖、約3200万円の何紹基の長条幅四聯、約7200万円の傅山の長条幅などは、いずれもエスティメートの五倍前後という値段で落札されていることが目を引く。
 
 特に傅山の長条幅では、エスティメートの低い方が値を飛ばしており、これが落札結果に影響を与える可能性も窺わせている。
 
 
 また、辛亥革命以降の近代書人では、やはり孫文、郭沫若らが人気で、特に郭沫若に3点も1000万円超の値が付いていることが目につく。
 
 康有為や于右任は、作品によって値段にかなりのバラつきが出ることも分かる。



(書道美術新聞 第964号1面 2011年7月1日付)



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