「江戸期の文字幟展」開く

掲載日: 17年10月15日 | カテゴリ: トップ記事

民衆の祈りと感謝
北村勝史氏のコレクション
大崎ウエストGで一堂に

 「江戸期の文字幟展」と題する珍しい展観が10月5日から10日まで、東京の大崎ウエストギャラリーで美術新聞社と同ギャラリーの共催展として開催された。

同展は、幟(のぼり=絵・文字)の収集では全国屈指のコレクターとして知られる北村勝史氏の保有する約60点を一堂にしたもので、同氏のコレクションの公開としては2度目だが、文字物に絞ったこれだけの規模の展示は初めて。

会場は、第1期元禄〜享和、第2期文化〜安政、第3期万延〜明治の3パートで構成され、全長10辰鯆兇┐訛腓なものから1辰頬たない小さなものまで、手書きの墨書から染物までと、多彩。

会場では、「これも立派な日本の文字文化だ」と、感嘆の声が多く聞かれた。
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 幟は歴史的には、初めは絵幟が主役だったが、江戸期に入って文字幟が神社等への奉納幟として盛んになったと言われる。

その目的は、天災や飢饉、疫病などに苦しんだ民衆が、神仏の加護を求め、祈りをこめて作り納めたものとされ、また祈願成就の暁には、感謝の幟を奉納した。


 材質は9割が木綿で、1割が麻、稀に紙製のものも見られる。ただ、基本的に野外に立てられ、風雨や紫外線に常時さらされることから、寿命は長くなく、何度も複製を作り直して立てたらしい。


 揮毫者が判明しているものは多くはないが、書家、僧侶、学者、医者、村の長などが多く、展示品の中にも、幕末の三舟や三井親和、杉田玄白などの書が見られた。


 また、ここに図版で紹介した素晴らしい筆勢の「稲荷大明神」の幟は、名もない民衆が寝床のムシロの上で墨書したものらしく、その痕跡がくっきりと見られる。


同展に合わせて、『祈りの文字‐江戸期の文字幟』と題する図録も上梓された。


 問い合わせ等は、筍娃魁升械苅坑亜升苅隠沓靴梁膾螢Ε┘好肇ャラリーへ。



(書道美術新聞 1108号1面 2017年10月15日付)



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