[北京匡時秋季]オークション“調整局面”続く

掲載日: 16年01月01日 | カテゴリ: トップ記事

魯迅の小品、5000万円

 中国の美術品市場の動向を把握するため本紙が継続的に観測を続けている、北京の4大オークションの一角で特に書画作品に強みを持つ北京匡時拍売(カウンシル競売)の「2015年秋季オークション」が去る12月4、5の両日、例年通り北京市東城区の北京国際飯店で開かれた。

 昨今伝えられる中国経済の急減速のあおりを受けて美術品市場も冷え込みの度を強めており、今回の落札総額も前年同期比25%減の10億元(190億円)に留まった。(本紙2面に関連図版)
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“相場”完全に沈静化

 今回のオークションで事前に最大の話題となった書作品は魯迅の16字の行書小品で、落札額はエスティメート(80〜100万元=最低落札価格帯)を大きく上回り、日本円で約5、000万円(1元=19円で換算)を超える265万元(手数料込み304万元)に達した。しかしこの落札額も、事前の大方の予想には届かなかった模様だ。


 また、今回最高落札額を記録したのは黄賓虹の行書作品で700万元(同805万元)、続いて金農の550万元(同632万元)、文徴明の530万元(同609万元)などで、日本円で1億円を超えたのはこの3作品のみという寂しさとなっている。

 前年秋季のオークションでは2作品が1、000万元超(日本円で2億円超)を記録した王鐸も、今回は130万元(同150万元)どまりという状況だったし、近現代作家の啓功も前期は210万元(同241万元)を記録して話題を呼んだが、今回は72万元(同83万元)に留まり、トップ30位に挙がってこなかった。
 ただ、孫文の横披作品の130万元(同150万元)は、王鐸と並んでいるということでも、唯一の明るい話題といえようか。

 いずれにしても、王鐸の長条幅作品に日本円で5億円を上回る落札額がついたような、一時期の過熱相場は、ほぼ完全に沈静化したとみてよさそうだ。



(書道美術新聞 第1067号1面 2016年1月1日付)



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