(1)      (昭和51年6月7日第三種郵便物認可)美術新聞社報 平成29年(2017) 11月22日(水曜日)
書道美術新聞【1面】
高校用・新指導要領(案)発表
掲載日: 09年01月01日
書道美術新聞【1面】

高校用・新指導要領(案)発表

「書道機廖■格野必修に
文科省 21日まで広く牋娶疂臀乎


 文部科学省は12月22日、「高等学校用・学習指導要領」の改訂案を発表した。
 
 今年3月に告示した小・中学校用の新しい「学習指導要領」に続いて、高校でも「ゆとり教育」からの転換方針を明示しており、また60年ぶりに改正された教育基本法の内容を踏まえて、義務教育段階における学習内容の確実な定着を図るための機会を設けることも促すなど、かつてないきめ細かい内容となっている。
 
 同省では今後、この改訂案について1月21日締め切りで広く意見(パブリックコメント)を募集し、寄せられた意見も参考に内容を確定して年度内に告示、平成25年度から学年進行での本格実施を目指しているが、一部前倒し実施も予定している。(本紙3面に改訂案要旨)

 今回発表の改訂案に示された「高校書道」の標準単位数は従来通り「書道機廖◆崕馥鮫供廖◆崕馥鮫掘廚修譴召譯加碓未如◆崕馥鮫機廚里濾修の選択科目となっている点も同じ。
 
 しかし教科・科目の一覧を見ると、「書道」は「各学科に共通する各教科」では芸術科目に含まれているが、「主として専門教育を主とする学科において開設される各教科」の中には「書道」は入れられていない。
 
 この教科とは、「各学校においては、教育課程の編成に当たって、主として専門学科(専門教育を主とする学科)において開設される各教科・科目」とされているもので、「音楽」と「美術」は入っているのに対し「書道」は入っていないという事実は、書道界としては理解に苦しむ点といえる。
 
 
 一方、今回の改訂案における全体的な教育内容の主要な改善事項として「言語活動の充実」が掲げられているのは注目される点だが、「改善」方針はさらに、理数教育、伝統や文化に関する教育、古典、武道、伝統音楽、美術文化、衣食住の歴史や文化に関する学習などまでと多岐にわたり示されており、道徳教育、体験活動、外国語教育の充実や、職業に関する教科・科目なども主な改善目標となっている。
 
 また、従来多用されてきた「詳細な事項は扱わない」などのいわゆる「はどめ規定」が原則削除されていることも、脱「ゆとり教育」を強く意識させるものとなっている。
 
 
 以下に、この改訂案から読み取れる「高校書道」の今後展望などについて、専門家2氏にコメントしてもらった。
 
 ◇ ◇ ◇
 
 【加藤祐司・全書研理事長の話】
 まず改訂案を見るとき、ややもすると「どこが変わったのか」という点ばかりに関心がいきがちになるが、合わせて「どうして変わったのか」という、改訂の主旨や背景をしっかりと理解することが大事。
 
 特に今回の改訂は、60年ぶりに改正された教育基本法を受けてのものという点も見逃せない。
 
 基本法の主旨を踏まえて、「表現」と「鑑賞」を通して「書の伝統と文化について理解を深める」ために、一層充実した学習内容と適切な指導が求められている。
 
 
 次に、今回の改訂案では、「書道機廚函崕馥鮫供廚量槁犬法⊃靴燭法崟験兇砲錣燭蝓廚函崕颪療租と文化についての理解」という文言が加えられたことや、「書道機廚如崕饉滅塾呂慮上を図り」と、中学校の国語科書写との接続が強調されていること、指導事項の記述が「〜すること」となって、より具体的になっていることなどが印象的だ。
 
 
 「書道機廚如峇岨仮名交じりの書」、「漢字の書」、「仮名の書」のいわゆる3分野がすべて必修となり(「書道供廚任禄祥萃未蝓法△泙拭崕馥鮫機廚痢峇岨の書」、「仮名の書」の指導事項に「用具・用材」の項目が加えられたことや、「篆刻と刻字」について「可能な限り扱うようにすること」と明記された点なども、大きなポイントといえよう。
 
 ◇ ◇ ◇
 
 【東野敏夫・全高書研会長の話】
 現行の学習指導要領から最も大きく変わった点は、「書道機廚砲いて「漢字の書」、「仮名の書」、「漢字仮名交じりの書」がそれぞれ必修になったことだろう。
 
 前回の改訂で「漢字仮名交じりの書」が必修となってから、現場の授業や研究集会等でも様々な工夫や研究がなされ、方向性も示されてきたし、「漢字仮名交じりの書」は文字文化の観点から考えても日本独自の文化として、今後も重要な学習課題であることに、変わりはない。
 
 しかしそうであっても、高校の書道教育には「漢字の書」と「仮名の書」を中心に学習指導を進めてきた長い歴史があるので、この改訂で3分野をそれぞれ必修としてしっかりと学習指導が行えるようになることは、特に教員側にとっては、やりやすくなるといえそうだ。
 
 
 指導内容として示された中で、従来は「篆刻等を加えることもできる」となっていたのが「篆刻、刻字等を扱うよう配慮する」と明記されたことは、これまで学校ごとに工夫しながら進めてきた「篆刻・刻字」について、より充実した内容の学習指導が望めるという点で、大きな意味があるといえる。
 
 
 また今回の改訂案では、「伝統と文化を尊重し」と芸術文化に関わる文言がベースとなっている。
 
 これは、小・中学校でも新たに大きなポイントとなっている観点であり、「芸術科書道」できちんと反映させていけるように、取り組んでいかねばならないと思う。



(書道美術新聞 第906号1面 2009年1月1日付)



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