(1)      (昭和51年6月7日第三種郵便物認可)美術新聞社報 平成29年(2017) 11月24日(金曜日)
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「江戸時代の漢字書」展
掲載日: 15年04月01日

同展会場風景奈良教育大で“学内展”
谷川雅夫・准教授研究室
注目の取り組み


 「江戸時代の漢字書」展が3月18日から22日まで、奈良市高畑町の奈良教育大・教育資料館を会場に開かれ、大きな話題を呼んだ。

 同展は、谷川雅夫・同大准教授と同氏の研究室が主催したもので、いずれも同氏が近年にコツコツ収集したコレクションが中心という83名の約100点の粒揃いの漢字作品群によって、日本書道史における「江戸期」280年にスポットを当てた企画展。こうした狙いによるこれだけの規模の展観は珍しく、会期が短かったのが惜しまれるが、幸い本格的な作品集も編まれているので、合わせて紹介しておきたい。(本紙6面に関連記事・グラフなど)

 ◇ ◇ ◇

 准教授によると、今回展の内容の主力を成すのは、儒者をはじめとする同時代の学者の書、書家・漢詩人の書で、画家・篆刻家・僧侶の作品も含む。
 しかしその一方で、江戸初期の書壇に大きな存在感をもった黄檗一門の作品や、和様の高い成果を示している寛永の三筆については今回展では割愛し、武家や茶人の書も和語の作品が大半を占めるという理由で、省いたという。
 こうしてリストアップされたのが、藤木敦直(1582〜1649)から幕末の頼三樹三郎(1825〜1859)までの別表の83名で、作品集ではこれらを、

 ‥睛涌柄亜複隠契さ前半)
 ⊇藉唐様(17世紀後半)
 E睛予颪粒花(18世紀前半)
 ご岨書風の多様化(18世紀後半)
 ニ詼の漢字書の成熟と終焉(19世紀前半)
 μ声A梓の空白(19世紀後半)

 と区分した6期によってその流れをたどるとともに、作品集では各作品の時代背景や作者の人物像、書の内容から託された思いなどまでの解明をめざして、それぞれの作に詳細な釈文と、解説文を付している。


 従って、こうした取り組みを端緒に、今後さらに同時期の書の流れや特色、後世への影響などが明らかになっていけば、近年急速に関心が高まりつつある明治以降の近・現代の書に対する研究や鑑賞の上にも、大きなプラスとなると見ていいだろう。今後の同准教授と研究室の、さらなる収集と研究が期待される。


 同展や作品集(定価2,000円、芸文書院刊)に関する問い合わせ等は、筍娃沓苅押檻横掘檻坑横横気瞭姥Φ羲爾悄


「江戸時代の漢字書」展作品作者一覧 ※生年順配列
1.藤木敦直(1582‐1649)
2.林羅山(1583‐1657)
3.中江藤樹(1608‐1648)
4.李梅渓(1617‐1682)
5.北島雪山(1637‐1697)
6.林道栄(1640‐1708)
7.細井広沢(1658‐1736)
8.荻生徂徠(1666‐1728)
9.伊藤東涯(1670‐1736)
10.梁田蛻巌(1672‐1757)
11.桑原空洞(1673‐1744)
12.伊藤梅宇(1683‐1745)
13.服部南郭(1683‐1759)
14.白隠(1685‐1768)
15.三井親和(1700‐1782)
16.秋山玉山(1702‐1764)
17.寂厳(1702‐1771)
18.奥田三角(1703‐1783)
19.柳沢棋園(1704‐1758)
20.伊藤華岡(1709‐1776)
21.源伯民(1712‐1793)
22.桂洲(1712‐1794)
23.趙陶斎(1713‐1786)
24.龍草廬(1714‐1792)
25.宮崎筠圃(1717‐1775)
26.林鳳谷(1721‐1774)
27.高芙蓉(1722‐1784)
28.池大雅(1723‐1776)
29.韓天寿(1727‐1795)
30.中井竹山(1730‐1804)
31.沢田東江(1732‐1796)
32.中井履軒(1732‐1817)
33.藪孤山(1735‐1802)
34.蒔田必器(1737‐1801)
35.十時梅僉複隠沓械掘升隠牽娃粥
36.丹羽嘉言(1742‐1786)
37.村瀬栲亭(1744‐1818)
38.尾藤二洲(1745‐1814)
39.浦上玉堂(1745‐1820)
40.頼春水(1746‐1816)
41.余延年(1746‐1819)
42.大田南畝(1749‐1823)
43.豪潮(1749‐1835)
44.古賀精里(1750‐1817)
45.仙僉複隠沓毅亜升隠牽械掘
46.亀田鵬斎(1752‐1826)
47.頼杏坪(1756‐1834)
48.中井董堂(1758‐1821)
49.良寛(1758‐1831)
50.秦星池(1763‐1823)
51.益田勤斎(1764‐1833)
52.小俣蠖庵(1765‐1837)
53.丹羽盤桓子(1773‐1841)
54.梅辻春樵(1776‐1857)
55.巻菱湖(1777‐1843)
56.田能村竹田(1777‐1835)
57.東条一堂(1778‐1857)
58.貫名菘翁(1778‐1863)
59.市河米庵(1779‐1858)
60.門屋孤舟(1779‐1863)
61.頼山陽(1780‐1832)
62.細川林谷(1780‐1843)
63.篠崎小竹(1781‐1851)
64.山本梅逸(1783‐1856)
65.菅井梅関(1784‐1844)
66.立原杏所(1786‐1840)
67.草場佩川(1787‐1867)
68.東夢亭(1791‐1849)
69.田辺玄々(1796‐1859)
70.小島成斎(1797‐1862)
71.斎藤拙堂(1797‐1865)
72.生方鼎斎(1799‐1856)
73.野田笛浦(1799‐1859)
74.山内香雪(1799‐1860)
75.江川担庵(1801‐1855)
76.頼聿庵(1801‐1856)
77.谷三山(1802‐1868)
78.篠崎竹陰(1803‐1858)
79.藤田東湖(1806‐1855)
80.藤井竹外(1807‐1866)
81.佐久間象山(1811‐1864)
82.池内陶所(1814‐1863)
83.頼三樹三郎(1825‐1859)



(書道美術新聞 第1050号1面 2015年4月1日付)


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