(1)      (昭和51年6月7日第三種郵便物認可)美術新聞社報 平成29年(2017) 11月18日(土曜日)
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「書道靴泙如廝灰櫂ぅ鵐函伐復”
掲載日: 13年12月01日

“実施元年”明るい動き
全高書研調査
全国の公立高の開講状況



 全高書研の年次大会が今年も、浜松市で「第38回静岡大会」として開催された。
 
 高校では今年、「書道」も他教科と同様、文科省が定めた新しい「学習指導要領」が学年進行で切り替わる“実施元年”に当たり、まず一年生を対象とする「書道機廚、全面的に新課程に切り替わった。
 
 そこで、同研・調査部が今年の大会でも報告した恒例の「26年度全国高等学校書道教育に関する実態調査」のデータをもとに、今大会のメーンテーマにも掲げられた高校書道の「新時代」がどう読み取れるか、検証してみよう。

 ◇ ◇ ◇



 文科省の手でほぼ10年ごとに改訂される、“教育現場向けの憲法”ともいえる「学習指導要領」は、過去2回の改訂でも高校書道における「漢字仮名交じりの書」の位置づけや指導方針についてドラスティックな改変方針を定め、社会のニーズに学校教育を合わせようと大きな指導力を発揮してきたが、今回の改訂でも、書をめぐる「伝統文化」に対する取り組みの強化や、「生涯にわたって書を愛好する心情を育てる」といった踏み込んだ指針を示して書道界に歓迎されたことは、記憶に新しい。
 
 
 それゆえ書道界も、この“実施元年”に当たって高校での「書道教育」がどのように変化し始め、どのような新しい動きを見せ始めているのかには、強い関心をもって注視しているわけである。
 
 
 もちろんこうした「変化」や、「新しい動き」というものは、毎年持ち回りで大会を盛会裡に開催している各県等の高校書道教育関係者らによるその時々の取り組みや、大会での発表・報告のため力の限りを尽くして準備し、また遠路をいとわず大会に参加し熱心に聴講して成果を持ち帰ろうと努力する多くの参加者らの間には紛れもなく見てとれることは、事改めて言うまでもないことである。
 
 だから、「大会を見せてもらう限りにおいては、高校書道の関係者はみな実に意欲的で、それぞれに建設的な取り組みをされており、将来には何の不安もないといつも思う」との、かつて書写・書道教育の強力なキーパーソンだった故久米公氏の口癖は、まさにその通りなのである。
 
 
 とはいえ、そこで久米氏が言外に言わんとしたことはむろん、全国で各高校を率いる一人ひとりの校長先生の書道教育に対する認識、意識には依然として大きなバラつきがあることと、さらに各高校の現場で校長先生方と日々接しながら、「書道」に対する理解を深めてもらう努力がなお奏功していない各先生方に対する期待や励ましであることは、多言を要しないだろう。
 
 
 そしてもし、現場の先生方のそうした努力が大きく実り始めたならば、その結果はまさに同調査部の「調査データ」にクッキリと表れてくるはずであり、そこにこそ本紙が同調査部の粘り強い「実態調査」の継続に敬意を表し、常にその結果に注目しているゆえんがあるわけである。
 
 
 ということで、今年の大会で報告された“実施元年”の調査データだが、結論的にいうとやはり、さしたる変化は見ることができず、弱含み横ばいの「書道開講校数」や、長期低落傾向が続く「書道専任教員数」は、ご覧の通りである。


 ただそうした中で、もしかすると新しい流れ、新しい動きである可能性もありそうと気づいたデータがひとつあるので、ご紹介しておきたい。
 

※各年度の合計の100との差は「その他」の数字です(単位%)

 それは、「国公立高校における書道の開講状況」と題する調査データである。
 
 その調査は、「書道」の開講状況を、
 1)書道気里潦講
 2)書道兇泙燃講
 3)書道靴泙燃講
 4)書道気罰惺酸瀋蟆別
 5)書道兇罰惺酸瀋蟆別
 6)書道靴罰惺酸瀋蟆別
 7)その他
 と仕分けした上で、「書道」を開講する校数を分母にして%で表している。
 
 そこで、7)その他は内容も多岐にわたりそうだし数字としても小さいので無視することにして、1)と4)の合計を「A」とし、2)と5)の合計を「B」とし、3)と6)の合計を「C」として便宜的に「全日制」に絞って、今年の数字と昨24年の数字、そして手元にある平成11年の数字(当時はデータは1)2)3)と、その他にまとめられていた)を並べてみた結果が、「別表」である。
 
 
 つまり、平成11年には「書道掘廚泙燃講している高校は半数近い47%だったのに、去年には26・4%まで低下していたのが、今年は急に約3ポイントも上がって29・3%になっているのだ。
 
 
 これに対し「書道機廚靴開講していない高校は、11年には10%に満たなかったのに、去年は36・3%にまで増えていた。
 
 それが1ポイント以上減少しており、「書道供廚泙燃講している高校も今年は同じく3ポイント以上減っている、ということなのである。
 
 微々たる変化といえばその通りだし、誤差範囲とも見られなくもないが、しかし分母が3、000件規模のデータ上の変化であることからして、あるいはひょっとしてと目に留めたわけである。
 
 
 開講実績のない高校に新たに「書道」を開講してもらうのには、設備や教員配置等の問題もあり相当にハードルは高いと思われるが、「機廚世院◆岫供廚泙如△箸い高校に「供廚癲◆屬爾勠掘廚泙如△汎きかけることは比較的可能性が大きそうに思う。
 
 そしてこの“実施元年”にそうした動きが全国的に兆し始めている可能性があるとすると、来年は2年生向けの「書道供廚“実施”に移されるわけであるから、ぜひこの動きが本格化し、「高校書道」の一層の充実、活性化のきっかけとなればと考え、関係者各位の一層のご尽力を期待したい次第である。



(書道美術新聞 第1019号1面 2013年12月1日付)


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