(1)      (昭和51年6月7日第三種郵便物認可)美術新聞社報 平成29年(2017) 11月22日(水曜日)
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「書道参加率」は急落
掲載日: 12年11月15日

 今年度版『レジャー白書』から
“ネット調査”依然不安定
“健康志向の人”「書道」にお金?


 日本生産性本部はこのほど、今年度版の『2012/レジャー白書』(第36号)を発表した。
 
 同白書の調査データは、本社が長年にわたり毎年「書道人口」の推移をはじき出すのに用いてきたものだが、同本部が一昨年以降調査手法を「質問留置法」から「インターネット調査」に変更したことでデータの連続性が失われ、また得られているデータ自体の信頼性にも疑問符がついたことで、この2年間は「書道人口」の報道も見合わせてきた。
 
 本社としては、3年分のデータがあれば「ネット調査」の猜从甲有瓩分かり、独自に従来データとの連続性を確保する計画を練ってきたが、本年版でもデータの変動幅が大き過ぎるきらいがあり、当面はそうした企ても断念するほかなさそうだ。

 ◇ ◇ ◇

 まず、本年版の白書が調査結果として紹介している趣味・創作部門の2011年度1年間の「参加率」データの「書道」の欄をみると、別表の通り「3・9」となっている。
 
 これは「ネット調査」に移行する前の年である2008年度の「3・3」に近く、この両年度の数字から書道の「活動人口」(前年1年間に書道の活動を「やった」人の数)をはじいてみると、2008年度が360万人、2011年度が400万人となり、さしたる違和感はない数字ともいえる。
 
 
 とはいえこの数字は、一昨年版の白書では「6・4」、昨年版の白書では「5・2」だったもので、それぞれ「人口」に置き換えると660万人、530万人となるわけだから、仮に白書のデータを信じるなら、書道の「活動人口」はこの2年間に、荒っぽくいえば毎年2、3割ずつ、130万人ずつ減少したことになる。
 
 しかしこのデータは、「ネット調査」に移行以前は20年間に緩やかに右肩下がりで推移し、ほぼ半減(750万人↓360万人)した状況と比べてもあまりに変動幅が大きく、とても「偏差」などを論じ得る段階にないことは明らかだ。
 
 
 白書はそればかりでなく、活動回数や活動費用のデータにも同様に変動が大きい。
 
 たとえば年間の活動回数についてみると、昨年版の白書では約18回、今年版の白書では約26回、1回当たりの費用では昨年版の白書が約1、200円、本年版の白書が約1、700円、年間の用具費に至っては、昨年版の白書が約9、000円、本年版の白書が約21、000円といった具合で、実際にこれほどの変化があったとは考えにくくこれでは調査スペックにさえ疑問を抱く向きも少なくないと思われる。
 
 
 ただ、本年版の白書で注目したいデータをひとつ見つけたので紹介しておこう。
 
 それは、調査対象者(回答者)の個人的な志向性を他のいろいろな設問に対する回答から把握し、それと参加率やお金の使い方との相関性を探っている点である。
 
 表にまとめてみたが、
 1)「社会貢献志向」の強い人は書道参加率も高いが、しかしお金は余り使わない
 2)書道に比較的お金を使うのは「健康志向」の人などとなっており、これはこれで興味深いデータといえそうだ。
 
 今後、さらに突っ込んだ調査が期待される。



(書道美術新聞 第995号1面 2012年11月15日付)


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