(1)      (昭和51年6月7日第三種郵便物認可)美術新聞社報 平成29年(2017) 10月22日(日曜日)
書道美術新聞【1面】
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掲載日: 11年10月01日
書道美術新聞【1面】

ガレキの下から回収された硯の“再生”に取り組む千葉隆志・組合事務局長瓦礫下から3000面回収
組合主導で復興めざす
採石場再開へ重機搬入


 窓ガラスもなく、床や柱はゆがみ、人気のない町役場の一室で黙々と硯の手入れが続いていた。
 
 むろん電気も来ていないので窓明かりだけが頼りのこの部屋では今、雄勝(おがつ)硯生産販売協同組合の事務局長とボランティアの人たち数人が交代でガレキの下から回収された使用可能の硯を、丹念に水で洗い、加工・化粧を施して、商品に再生させる作業を行っている。
 
 ここで蘇った商品は各地での復興支援行事の即売会等で販売され、組合の復興資金にプールされている。
 
 回収された硯の量は限られており、当面は新製品の供給は見込めないが、組合では一日も早い本格的な活動再開を目指して、出来ることからやっていこうという考えだ。

 ◇ ◇ ◇人気の石皿や食器の素材の原石同上硯の“再生”に取り組む千葉さんらが作業を続ける雄勝町役場回収され加工を待つ素材の原石

 組合はこれに先立つ5月初旬、GWに3日間にわたって地元のボランティアグループ等の協力も得て雄勝硯伝統産業会館の周辺や各関係業者の店舗・倉庫の跡地周辺などを“捜索”し、約3000面にのぼる硯や、一部に人気のある石皿・食器類などの工芸品の素材となる原石1万枚以上を回収した。
 
 
 いま、ここで再生作業をしている硯はこの時に回収したものだが、もうこれ以上の回収は無理で、今後は一日も早く採石の再開と製硯工場の再建、再開を図るしか「雄勝硯」の復活は見込めない。
 
 
 その採石場は町の西にそびえる硯上山にあるが、そこへの道が地震による大規模な地滑りで通行不能となり、採石場の現状を十分確認することも困難になっている。
 
 しかし、最近何とか重機を入れるメドがついたことから組合では、専門機関によるボーリング調査で今も“無尽蔵”といわれる「雄勝石」の採掘再開を来年にも果たしたいと、準備を進めている。
 
 
 また組合では、これほどの壊滅的被害を受けた雄勝の硯産業の復活復興は個人の力では到底無理との認識から、今後の取り組みはすべて組合主体で進めていく方針を確認。
 
 組合の中に、小回りのきく新たな事業主体を設けるなどの各種のプランを検討中で、先ごろ日刊紙が報じた、「雄勝硯業者団結、新会社設立へ」というニュースもそうした構想の一環だが、まだ具体的には何も手がついていないのが実情といっていい。
 
 
 このように、「雄勝硯」の復活へ向けてその胎動はさまざまに始まっているが道のりは険しいというのが実状で、書道界としてもこの室町時代から続く伝統産業である「雄勝硯」の復活を長い目で見守り、支援していくことが必要だろう。
 
 ◇

 「雄勝硯」に関する問い合わせ等は、〒986−1333宮城県石巻市雄勝町雄勝字寺五三 雄勝町インフォメーションセンター内の雄勝硯生産販売協同組合(筍娃坑亜檻横僑娃検檻牽横械祇虱嬶柑峪務局長)へ。



(書道美術新聞 第969号1面 2011年10月1日付)


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