(1)      (昭和51年6月7日第三種郵便物認可)美術新聞社報 平成29年(2017) 11月23日(木曜日)
書道美術新聞【1面】
特別展「黄檗」開く
掲載日: 11年05月15日
書道美術新聞【1面】

会場風景万福寺の名宝等一堂
九博で22日迄


 “隠元開創350年”記念して、九州国立博物館の開館5周年を記念した特別展「黄檗‐京都宇治・万福寺の名宝と禅の新風」展が3月15日から5月22日まで、太宰府市の同館で開かれている。
 
 同展は、黄檗宗大本山・万福寺が今年で開創350年を迎えたのを機にした企画展。
 
 同寺の門外不出の名宝を含む各地の黄檗寺院が所蔵する仏教美術の重宝を一堂にしており、江戸初期以降の近世日本の精神文化に大きな影響を与えた同宗の関連では、平成5年の京博での隠元禅師生誕400年記念展以来18年ぶりとなるの本格展で、書道界でも「黄檗三筆」の書などに改めて関心が高まっている。(本紙5面に関連記事・グラフ)

 ◇ ◇ ◇

  黄檗宗は、臨済、曹洞とともに日本三禅宗の1つに数えられる宗派だが、最も後発で、江戸初期の承応3年(1654)に弘法(ぐほう)のため長崎に渡来した明末の臨済僧・隠元隆(1592〜1673)を宗祖とするが、江戸期には朝廷と幕府の双方から庇護を受けて宗風を高め、以後長期にわたり隆盛を極めた。
  
  
 隠元が日本に伝えた中国臨済宗の戒律を重んじる厳格な仏教儀礼は、当時停滞していた日本禅宗界に新風を吹き込むとともに、隠元のもとには幕府の鎖国政策のため大陸への留学が果たせない多くの優秀な日本僧が参集して、研鑽に励んだといわれる。
 
 これを見て幕府も、隠元のために新寺建立の特別許可を与え、寛平元年(1661)、京都宇治の地に黄檗宗万福寺が開創された。
 
 
 同宗では、隠元没後も代々渡来僧が住持を務める伝統となったこともあって、黄檗寺院には長く中国さながらの宗教文化が維持され、また最盛期には1、000カ寺以上を数えたといわれる各地の末寺を通じて全国的に浸透したことから、中国趣味の知識層だけでなく庶民の日常生活にまで多大な影響を及ぼした。
 
 また、隠元が伝えたとされる文物や文化は、美術・医術・建築・音楽・印刷・煎茶・普茶料理など多岐にわたるが、それらは今日のわれわれの日常にまで受け継がれているものも少なくない。
 
 
 今回展は、隠元渡来前後から万福寺開創に至る日本黄檗宗開立の歩みを、17世紀の東アジア世界という広域的な歴史のうねりの中で捉えようと試みたもので、重文14点など指定品を含む142点が「第1章・はじめての黄檗宗‐身近な黄檗文化」、「第2章・唐人たちの長崎」、「第3章・隠元渡来」、「第4章・万福寺開創」、「第5章・黄檗文華」の各章に分けて展示されている。
 
 
 主な見どころとしては、隠元が絶賛した中国渡来仏師・范道生が制作し、万福寺では普段拝観謝絶となっている彫像2体(「隠元隆倚像」、「白衣観音坐像」)や、長崎・祟福寺の本尊釈迦如来坐像の像内から発見された、金属製としては日本唯一となる銀製の五臓(「釈迦如来像・像内納入品」、関連の書蹟あり)が初公開されているほか、中国舶載の仏像や、道教や中国民間の信仰に基づく神像など、強いインパクトと異国風の特徴をもつ仏像群をはじめ、木魚の語源・原型でもある魚の形をした木製の法器「飯■(※木邦)(はんぽう)」など、いずれも話題性に富む内容となっている。
 
 
 書蹟関係としては、大本山の万福寺やその他の黄檗寺院境内に掲げられた指定品を含む多数の扁額や聯、額字の原物と、そのベースとなった原書類のほか、法語や詩文など約50点がみどころ。
 
 
 主な筆者は、隠元とその高弟の木庵性 、即非如一のいわゆる「黄檗三筆」をはじめ、当時の公家の頂点で隠元に帰依した後水尾法皇、明朝の復興支援に身を投じ、後に日本の長崎に亡命した朱舜水などで、なかでも隠元が示寂(死去)直前にしたためた3種の墨跡、「示元瑶尼偈」、「示諸法子孫偈」、「遺偈」は、作風もそれぞれ異なって隠元の真髄を示すものとなっているが、特に4月3日の示寂直前(2時間前)の筆とされる「遺偈」は、類まれな高僧の究極の気迫を示す劇蹟として、大本山万福寺の至宝中の至宝とされているもの。
 
 
 その他、当時の仏教研究だけでなく出版技術も飛躍的に高めたという「黄檗版大般若経」の版木や、隠元所用の印章10顆、筆筒や水滴などの文房具、羅漢図や達磨図などに付された三筆をはじめとする著名な黄檗僧の筆になる賛なども必見で、見どころは尽きない。
 
 
 同展に関する問い合わせ等は、筍娃毅亜檻毅毅苅押檻牽僑娃阿瞭唄曄淵魯蹇璽瀬ぅ筌襦砲悄



(書道美術新聞 第961号1面 2011年5月15日付)


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