(1)      (昭和51年6月7日第三種郵便物認可)美術新聞社報 平成29年(2017) 11月20日(月曜日)
書道美術新聞【1面】
がんばれ日本!がんばれ“雄勝”
掲載日: 11年05月01日
書道美術新聞【1面】

町の中心部に位置する雄勝硯伝統産業会館の惨状(屋根に「水」の字が見えている白い箱状のものはトラックの荷台、前庭の「雄勝硯」のモニュメントは無事だった)この惨状から再出発
4・27初の猊興会議


 大震災から50日、今なおテレビでも新聞でも被災地の惨状がひっきりなしに伝えられる日々――。
 
 本紙も先号で「硯の町、雄勝(おがつ)町消滅」という“伝聞”に基づく衝撃的な第一報をお伝えしてから現地取材の機会を探ってきたが、4月16日、漸く実現することができた。
 
 その現状はご覧のとおり、まさに言葉もない状況で、人的被害も少なくないことと考えられ、室町時代から続く歴史ある伝統産業の「雄勝硯」の再生には多大な困難が待ち受けていることが容易に察せられた。
 
 しかし、4月27日になって、関係者が仙台市内で被災後初めて会合を持ち今後について話し合ったという情報を得た。
 
 書道界にとっても、震災後久々の明るい話題としてお伝えする。(本紙3面に関連グラフ)

 ◇ ◇ ◇三陸自動車道を河北インターチェンジで降り北上川沿いに下って釜谷トンネルを抜けると雄勝の町は消滅していた(前方中央の白いとがった屋根が伝統産業会館)ありし日の雄勝硯伝統産業会館(釜谷トンネルを抜けた町の入口の案内看板から)雄勝硯伝統産業会館内部の被災状況(「硯」の字の「石」偏が欠落していた)

 同日の会合に集まったのは業界の旧雄勝支部(昨年仙台支部と合併して現在は宮城支部)を構成する硯業者7社のうちの6社(沖津製硯部、春日硯店、沢村製硯、昭和堂硯舗、高橋頼母硯店、やなせ留山堂)で、仙台の2社(松泉堂、おかや)が同席した。
 
 残る雄勝の山音商店は、横浜に避難中のため欠席した。
 
 参加した硯業者のうち、3社が現在も避難所生活を送っているという。
 
 
 まず行われた安否確認では、やはり伝統工芸士の有資格者を含む硯職人数名が死亡、または行方不明となっていることが判明した。
 
 
 事業の復興については、各社が意見を出し合ったが、まだ町自体の復興計画も定まっておらず、再開時期などの見通しは全く立たない状況。
 
 原石の切り出し等についても同様で、当面は在庫が多少確保できている業者から、徐々に動き出すことになりそうだ。
 
 
 雄勝硯生産販売協同組合(沢村文雄理事長)として町から運営を受託、拠点としてきた「雄勝硯伝統産業会館」は壊滅的な被害を受けており取り壊すほかない。
 
 このため県内に仮事務所を設ける方針だが、見通しは立っていない。
 
 
 当面の雄勝硯に関する連絡、問い合わせ等は、〒982−0031仙台市太白区泉崎2−18−1−203の沖津俊一・全国書道用品生産連盟宮城支部長へ。



(書道美術新聞 第960号1面 2011年5月1日付)


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