(1)      (昭和51年6月7日第三種郵便物認可)美術新聞社報 平成29年(2017) 11月20日(月曜日)
書道美術新聞【1面】
「現代書道の父/比田井天来」展、2日開幕
掲載日: 10年10月01日
書道美術新聞【1面】

筆法発見直後の作という『龍跳』(六曲半双)
=初公開=
38年ぶり本格回顧展
佐久市立近代美術館で
代表作含む140点など一堂


 日下部鳴鶴に師事して古典の碑法帖研究に打ち込み、独自の書道理論を確立して一家をなし、書家としては初の帝国芸術院会員に推されるなど、明治〜昭和の書壇に大きな足跡を残す一方、後進の育成にも努め、門下から「現代書」のリーダーらを多彩に輩出して「現代書の父」と仰がれる比田井天来(1872〜1939)。
 
 その書業を回顧する「比田井天来展」が10月2日、作者の郷里、長野県佐久市の新市発足5周年を記念する行事の一環として佐久市立近代美術館で開幕する(12月5日まで)。
 
 作者の本格回顧展としては、昭和47年の東京での「生誕100年」展以来で、実に38年ぶり。

  ◇ ◇ ◇

 「現代書道の父・比田井天来展」と銘打って開かれる今回展は、作者の手になる額・軸・屏風等の多彩な作品を中心とする代表作を含む約140点をはじめ、作者の臨書作品や作者旧蔵の拓本コレクション約60点、また作者と当時の文化人らとの交流を示す書簡、肉筆原稿類、さらに同市内に近年開設された天来自然公園に建立された書碑の書稿等まで、合わせて200点を優に超える展示品を一堂にするかつてない規模の展観となる。
 
 
 また今回展では、作者の代表作とともに、地元佐久の各収蔵家が秘蔵する個人蔵の名品も多く出品される点も大きな見どころで、総点数の約3分の1が従来の各種の関係図録等には未収録で、狃藐開瓩箸い┐觝酩覆箸いΑ
 
 
 展示は、同館の2、3階の4室(総壁面幅約208メートル)すべてが充てられ、各室ごとにテーマを異にした展示が計画されており、それぞれ第1室「上京・古典の衝撃・臨書」、第2室「遊歴・筆法発見・変わりゆく作風」、第3室「屏風‐屏風百双会とその後」、第4室「晩年」の各パートを構成、作者の学書や書芸術の全貌をほぼ年代順に見ることができる仕組み。
 
 
 各室の主な展示内容としては、まず第1室は作者が書を志して上京する以前の作品から、鳴鶴ら同時代のゆかりの書人らの作品、また作者の旧蔵品を主とする拓本類や臨書作品などが並ぶ。
 
 第2室は20代から50代の書作品を一堂にするコーナー。
 
 とりわけ作者が新しい筆法を編み出した40代以後、作調が目まぐるしく変化する時期の作品群が集中的に見られるのは、興味深い。
 
 
 第3室では、大正6年に焼失した郷里の協和小学校再建のために「屏風百双会」を催して作品頒布を行ったときの屏風作品などを中心に展示するが、これらは地元で頒布したものが多いだけに、今回展の企画準備中に猗見瓩気譴震じ開作品も多く、話題を呼びそうだ。
 
 
 第4室では、60歳から最晩年に当たる67歳までの作品を紹介するが、中でも鎌倉で静養中に揮毫した、最晩年の絶筆を含む「老人」と署名した一連の作品(10数点が知られ、うち7点を展示予定)は、半数が初公開という。
 
 同展に関する問い合わせ等は、TEL0267−67−1055の同美術館へ。
 


比田井天来略歴
 作者は明治5年、佐久市生まれ。
 26歳で上京して日下部鳴鶴に師事する傍ら、二松学舎で漢籍、金石学を学んだ。
 大正5年、単身鎌倉建長寺の正統庵に移り住んで古典の書法探求に専念。
 ついに「俯仰法」の筆法を解明するとともに、独自の書風を発見して書壇に新風を吹き込んだ。
 その成果を示すべく、同10年からは代表的著作となった全臨集「学書筌蹄」の刊行にも着手。
 昭和5年、代々木に書学院を設立し、法帖類の刊行に乗り出した。
 同12年には大日本書道院を創設して「単独審査」による同院展をスタートさせた。
 同年にはまた、尾上柴舟とともに書道界初の帝国芸術院会員に推された。
 同14年、68歳で没した。



(書道美術新聞 第946号1面 2010年10月1日付)


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