(1)      (昭和51年6月7日第三種郵便物認可)美術新聞社報 平成31年(2019) 12月12日(木曜日)
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第6回(2019)日展開幕
掲載日: 19年11月01日

猗惰増瓩蓮五科(書)のみ
大臣賞に、山下、斎藤、勝野、井隼、牛窪5氏
 
改組(新)第6回日展が11月1日、東京・六本木の国立新美術館で開幕した(11月24日まで)。新システムを導入して六6年目となる今回の同展では、まず大臣賞は日本画(一科)と洋画(二科)に内閣総理大臣賞、彫刻(三科)、工芸美術(四科)、書(五科)に文科大臣賞がそれぞれ1点決まったのをはじめ、会員作品対象の「会員賞」と、全出品作品を対象として第3回展から新設された「東京都知事賞」に、各科それぞれ1点の授賞が決まった。また、長年にわたって美術界で最も権威ある登竜門の一つとされている「特選」には、今年も各科10名ずつ、合わせて50名の受賞者が別項の通り決まった。

◆第一科(日本画)
 今年の日展を各科別に見ていくと、まず第一科(日本画)の搬入数は前回展比44点減の393点で、これに対する入選数は2点増の169点となったことから、入選率は約4・78ポイント上がって43%となった。会場は1階を25室に区分けし、入選作品169点のほか、会員等の無鑑査作家作品140点を加えて、309点を展示している。これは前回展比4点の増。
展示作品のうち長谷部日出男、前田米子の物故作家2名については、遺作展示となっている。
 日本画の授賞面では、大臣賞に山下保子「追憶」、都知事賞に中村徹「海想」、会員賞に諸星美喜「おいて」が、それぞれ決まった。特選受賞者10名も別項(2面掲載=略=以下同)の通り決まったが、このうちでは竹内恵利子が2度目、他の9名が初受賞。
◆第二科(洋画)
 第二科(洋画)の搬入数は前回展比74点減の1、677点で、これに対する入選数は3点増の528点となったことから、入選率は約1・5ポイント上がって31・48%となった。会場は2階を24室に区分けし、入選作品528点のほか、会員等の無鑑査作家作品125点を加えた、合わせて653点を展示している。これは前回展比5点の増。
展示作品のうち山名将夫の物故作家1名については遺作展示となっている。
 洋画の授賞面では、大臣賞に斎藤秀夫「清新」、都知事賞に長谷川仂「港の朝・曇る日」、会員賞に平野行雄「粟国島の民家」がそれぞれ決まった。特選受賞者10名も別項の通り決まったが、このうち阿部良広、茅野吉孝、佐渡一清、中土居正記、松本貴子の5名が2度目、他の5名が初受賞。
◆第三科(彫刻)
 第三科(彫刻)の搬入数は前回展比11点減の108点で、これに対する入選数は7点減の85点となったことから、入選率は約1・39ポイント下がって78・7%となった。会場は2階フロアに4室を設け(休憩室を含む)、入選作品85点のほか、会員等の無鑑査作家作品158点を加えた、合わせて243点を展示している。これは前回展比5点の減。
展示作品のうち雨宮敬子、稲垣克次、林昭三の物故作家3名については、遺作展示となっている。
 彫刻の授賞面では、大臣賞に勝野真言「瀬」、都知事賞に斎藤尤鶴「あおあらし」、会員賞に中原篤徳「ささやかな一日の終わりに」がそれぞれ決まった。特選受賞者10名も別項の通り決まったが、このうち大亀清寿、坂本健、高砂晴光、寺沢孝明、長谷川倫子、横山丈樹、脇園奈津江の7名が2度目、他の3名が初受賞。
◆第四科(工芸美術)
 第四科(工芸美術)の搬入点数は前回展比60点減の648点で、これに対する入選数は6点減の423点となったことから、入選率は約4・69ポイン上がって65・28%となった。会場は1階を10室に区分けして(休憩室を含む)、入選作品423点のほか、会員等の無鑑査作家作品一二八点を加えた、合わせて551点を展示している。これは前回展比7点の減。
展示作品のうち鶴見保次の物故作家1名については、遺作展示となっている。
 工芸美術の授賞面では、大臣賞に井隼慶人「積日惜夏」、都知事賞に大樋年雄「Mesa Marley『神光天地照』」、会員賞に村田好謙「風と光と水と」がそれぞれ決まった。特選受賞者10名も別項の通り決まったが、このうち佐々木真澄、武田司、西本直文、福富信、森克徳の5名が2度目、他の5名が初受賞。
◆第五科(書)
 第五科(書)の搬入点数は前回展比139点増の8、682点で、これに対する入選数は25点増の1、066点となったことから、入選率は約0・09ポイント上がって12・28%となった。会場は3階の全フロアを25室に区分けして、入選作品1、066点のほか、会員等の無鑑査作家作品145点を加えた、合わせて1、211点を展示している。これは前回展比24点の増。
展示作品のうち小山やす子、土井汲泉の物故作家2名については、遺作展示となっている。
 書の授賞面では、文科大臣賞に牛窪梧十「岑参詩」、都知事賞に吉川美恵子「梅」、会員賞に田中徹夫「ほのやみ」がそれぞれ決まった。特選受賞者10名も別項の通り決まったが、このうち佐井麗雪、深瀬裕之、宮負丁香、山口啓山の4名が2度目、他の6名が初受賞。



文化功労者に田渕氏(日本画家)

文部科学省は10月29日、平成31年度の文化勲章受章者6名と、文化功労者21名を発表した。それによると、今年の美術部門では文化功労者に日本画の田渕俊夫(日本美術院理事長・東京芸術大名誉教授)が選ばれた。日本画界からの文化功労者は平成25年度の上村淳之に次ぐもので、31人目の栄誉となった。
 田渕氏への顕彰理由は、「奈良、京都など日本の文化財、アフリカ、インド、中国の遺跡を取材し、地域の自然のたたずまいと時代を丁寧に考証した制作活動を展開。植物や風景を描いた作品は、卓越した技術、色彩感覚を土台に静謐な中に深い精神性をたたえ、永平寺不老閣、鶴岡八幡宮斎館、智積院講堂、薬師寺食堂などに襖絵・壁画を奉納。日本画の発展に寄与した功績は顕著」などとされている。


 


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