(1)      (昭和51年6月7日第三種郵便物認可)美術新聞社報 平成30年(2018) 5月25日(金曜日)
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特別展「王羲之と日本の書」展
掲載日: 18年02月01日

国宝26件等、116件で
10日開幕
九州国立博物館で

 特別展「王羲之と日本の書」展が2月10日、福岡・太宰府市の九州国立博物館で開幕する(4月8日まで=展示替えあり)。
 
 同展は、テレビ西日本の開局60周年を記念して企画されたもので、日本で大陸からの漢字の伝来以来1、000年以上にわたり育み、守られたてきた「書」文化の精髄を、王羲之書法にまで遡って作品や文字資料でたどろうとする大型企画展で、国宝26件、重文18件、重美4点などを含む、全116件の書蹟を一堂にするもの。
 
 平成17年開館の同館での、「書蹟」をテーマとした本格企画は初めて。(本紙6面に関連記事、グラフ)

 ◇ ◇ ◇

 内容的には、会場を「王羲之へのあこがれ」、「和様の書と平仮名の完成」、「和漢の書の新展開」、「書の娯しみと花開く個性」の4パートで構成し、各作品は会期中の展示日程を8期に分けて一部期間、または通期で展示される。

 今回展の注目点は、「喪乱帖」(宮内庁三の丸尚蔵館蔵)、「孔侍中帖」(国宝/前田育徳会蔵)、「妹至帖」(九博蔵)、「大報帖」(個人蔵)の、日本に伝わる王羲之の双鉤填墨本の全てが揃う点で、必見の機会といえる。

 まず、第1のパート「王羲之へのあこがれ」では、唐の太宗皇帝の命で中国全土の王羲之の肉筆が収集され、精巧な模本が作られた羲之書法が、奈良時代に遣唐使により将来され、以後、日本書法の師(手師==てし)として日本の書の源流、根幹をなしてきた流れを追う。また、平安初期に入唐した空海、最澄らが唐代の書文化を吸収して帰国し、8〜9世紀の日本で、唐代の文化や書法に憧れを抱き、王羲之を頂点とする漢字書法を咀嚼、吸収した時代にもスポットを当てる。

 次に、第2のパート「和様の書と平仮名の完成」では、9世紀後半に漢字の草書体から平仮名を創成し、日本語や日本固有の詩文を書き表すことを実現するとともに、10世紀初頭には物語、随筆などの王朝文学の隆盛をもたらした「かな」に焦点を当てる。また、10〜11世紀に王羲之書法を基に独自の美意識を加味した穏和な字姿の「和様の書」が三跡により確立され、以後の日本語表記に不可欠となった、平仮名と相性のよい曲線的な筆遣いの漢字にもスポットを当てる。

 第3のパート「和漢の書の新展開」では、中世に表現面で大きな進化を遂げた和様の書と、書論や故実の伝承、書の型の踏襲を重視する書流が生まれ、日本における「書道」の概念が確立していった経緯を辿る。また、宋代の中国で筆者の心情を優先させた書法が興隆し、禅文化とともに日本に伝わって禅僧をはじめとする知識層を中心に広がりを見せた中国書法と、鎌倉・室町期に和歌や実用文書に用いられた伝統的な和様書法の、両者による書流の形成過程にもスポットを当てる。

 第4のパート「書の娯しみと花開く個性」では、戦乱が終息した16世紀末から江戸期に経済と文化が大きく発展し、また寺子屋を通して庶民層における通行書体となった「御家流」による民衆文化の広がりにスポットを当てる。また御家流の祖として、中世の尊円親王や伏見天皇、古代の藤原行成、小野道風、そして王羲之にまで遡るとともに、長崎を通じて中国から流入した「唐様」が、儒者や文人ら知識層に愛好され、庶民層にも浸透して、実用と芸術の両面で書が幅広い階層で愛好された時代相を振り返る。

 ◇

 会期中の八期の展示日程は、以下の通り。
。卸遑隠案〜18日/■卸遑横案〜25日/2月27日〜3月4日/ぃ碍遑尭〜11日/ィ碍遑隠各〜18日/Γ碍遑横案〜25日/В碍遑横憩〜4月1日/┌慣遑各〜8日
 
 問い合わせ等は、筍娃毅亜檻毅毅苅押檻牽僑娃阿離魯蹇璽瀬ぅ筌襪悄
 
 
 
(書道美術新聞 第1115号1面 2018年2月1日付)


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