(1)      (昭和51年6月7日第三種郵便物認可)美術新聞社報 平成29年(2017) 12月11日(月曜日)
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小学1〜2年「書写」で"軟筆指導"実現へ
掲載日: 17年07月01日

新「指導要領解説」公表
文科省 「水書用筆等」導入例示


文部科学省は6月21日、「小学校学習指導要領解説」と「中学校学習指導要領解説」をホームページ上で公表した。

これは、この3月に告示された小学校用と中学校用「学習指導要領」の改訂版の記述内容について、具体的な例示や、かみ砕いた説明を行ったもので、小学校版を例に取ると、総則編と国語、社会、算数などから総合、特活まで14教科(注目の外国語と外国語活動の2教科を含む)の各編で合わせて約2、100頁、約200万字という大部のものとなっており、このうち国語編は181頁。

書写・書道教育界の悲願である小学校低学年の授業での猝喇甅狷霽瓩了藩僂砲弔い討癲嵜綵駘冑等」という表現で例示されて、大きな前進が期待できる運びとなった。

本紙では、本号で小学校版の「国語」編の抜粋を、次号で中学校版の「国語」編の抜粋をお届けする。(本紙5〜7面に関連記事)

 ◇ ◇ ◇

 本紙上の抜粋(別項)では紙面の都合で、国語編の「言語文化」「文字文化」「漢字」「書写」に言及した部分を中心に収録することにしたが、このうち特に小学校版「国語」編の第2章「国語科の目標及び内容」の「書写」に関する記述には、次のようにある。(傍線はすべて、編集部が適宜付した)


【書写】書写に関する事項である。ここに示す内容を理解し使うことを通して、各教科等の学習活動や日常生活に生かすことのできる書写の能力を育成することが重要となる。


 文字のまとまった学習は、小学校入学を機に始まる。文字を書く基礎となる「姿勢」、「筆記具の持ち方」、「点画や一文字の書き方」、「筆順」などの事項から、「文字の集まりの書き方」に関する事項へと、内容を系統的に示している。さらに、文字や文字の集まりの書き方を基礎として、筆記具を選択し効果的に使用するなど、目的や状況に応じて書き方を判断して書くことについて示している。


 なお、「第3 指導計画の作成と内容の取扱い」の2(1)カに示している書写の学習指導の配慮事項を踏まえる必要がある。


 そして、第3章で「各学年の内容」を解説した上、第4章「指導計画の作成と内容の取扱い」で、この文中にある「指導計画の作成と内容の取扱い」の章の「2(1)カ」として次のように示す。


 カ 書写の指導については、第2の内容に定めるほか、次のとおり取り扱うこと。

(ア)文字を正しく整えて書くことができるようにするとともに、書写の能力を学習や生活に役立てる態度を育てるよう配慮すること。

(イ)硬筆を使用する書写の指導は各学年で行うこと。

(ウ)毛筆を使用する書写の指導は第3学年以上の各学年で行い、各学年年間30単位時間程度を配当するとともに、毛筆を使用する書写の指導は硬筆による書写の能力の基礎を養うよう指導すること。

(エ)第一学年及び第二学年の(3)のウの(イ)の指導については、適切に運筆する能力の向上につながるよう、指導を工夫すること。


 そしてさらに、この(エ)については次のようにある。


(エ)は、第1学年及び第2学年の〔知識及び技能〕の(3)ウ(イ)における「点画の書き方や文字の形に注意しながら」書くことの指導について、適切に運筆する能力の向上につながるよう、指導を工夫することを示している。水書用筆等を使用した運筆指導を取り入れるなど、早い段階から硬筆書写の能力を高めるための関連的な指導を工夫することが望ましい。


 水書用筆は、扱いが簡便で弾力性に富み、時間の経過とともに筆跡が消えるという特性をもっている。その特性を生かして、「点画」の始筆から、送筆、終筆(とめ、はね、はらい)までの一連の動作を繰り返し練習することは、学習活動や日常生活において、硬筆で適切に運筆する習慣の定着につながる。また、水書用筆等を使用する指導は、第3学年から始まる毛筆を使用する書写の指導への移行を円滑にすることにもつながる。


 つまりここで文科省は、まず「筆記具を選択し効果的に使用」という伏線を張った上で、「毛筆を使用する書写の指導は、硬筆による書写の能力の基礎を養う」とする従来からの猴論武装瓩砲浪燭虔儿垢ないことを強調して猝喇復活瓩伴け止められることを避ける配慮を重ねつつ、「水書用筆等」という新しい概念を持ち出し、小学校低学年への犖果的な筆記具の使用瓩法道を開いたと見ることができよう。


 従って、今後の書写・書道教育界の取り組みや、学校現場での適宜適切な判断に基づく指導事例の積み重ね次第では、次代を担う若者たちにおける日本の「書道文化」「文字文化」に対する素養、資質の向上に、大きな効果が期待できるのではなかろうか。

(書道美術新聞 第1102号1面 2017年7月1日付)


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