(1)      (昭和51年6月7日第三種郵便物認可)美術新聞社報 平成29年(2017) 10月20日(金曜日)
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“名門”新潟大・書道科に幕
掲載日: 16年12月15日

「書表現コース」募集停止
教育学部
美術教育に犲禊殻将畚馥始
新潟大学
 昭和24年の新制大学発足当初から、石橋犀水を教授に迎えて全国の新制高校の芸能科書道(当時)教員養成を目的とする「書道科」を設置して高校の書道教育現場向けの専門教員の養成を行い、その後全国に五校開設された「特別教科(書道)教員養成課程」(特設書道科)を総合大学で唯一設置してきた狢膤惱馥鮫瓩量礁隋⊃軍秣膤悗如⊇馥擦寮賁膓軌蕕療瑤消えかけている。

 平成10年の学部改組で「特設」が廃止されてからも、いわゆる「ゼロ免課程」として15名の募集定員を守り続け、そのほぼ全員に高校書道一種免許を取得させてきた「書表現コース」の廃止が決まり、来年度から学生募集が行われないことが明らかになった。

 ◇ ◇ ◇【岡村浩(鉄琴)教授の話】本学でこれまで育まれた書道教育の伝統とカラーを失うのは痛恨の極みだが、社会の変貌に応じた大学改革が断行される中、書道科は主体的な書の学びに加え、「書く」目的の設け方と活用法を柔軟に捉えることを希求しながら、新しい一歩を踏み出すことにしたい。「学生募集要項」を読むだけでは、残念ながら書道科(書道分野)の今後は見えてこないと思うが、各高校の受験指導の先生方をはじめ関係者のご理解を頂き、やる気のある受験者を一人でも多く迎えられることを願っている。

 近年の文科省による国立大学改革の大きなうねりの中では、少子化に伴う全国的な教員採用数の減少傾向を受けて特に教員養成系の大学・学部に対する厳しい犲己改革要求瓩各大学の関係者を震撼させているといわれるが、そうした要求を受けて新潟大が打ち出した改革プランが、新構想の「創生学部」の創設や理系学部の募集定員増とセットになった教育学部定員の大幅削減。

 
 これにより教育学部は、従来は五課程合わせて370名だった募集定員を、学校教員養成課程の220名はそっくり残したものの、他のいわゆる「ゼロ免課程」の4課程分合わせて150名が全て削減され、この削減対象の中に「芸術環境創造課程・書表現コース」の一五名の枠も含まれていることから、同コースも今回、募集停止の憂き目をみることになったもの。

 
 書表現コースには現在、▽1学年17名、2学年16名、3学年16名、4学年20名が在籍し、▽高校書道一種免許は、それぞれ17名、16名、16名、16名とほぼ全員が取得を目指しており、▽高校国語一種免許も、それぞれ17名、16名、13名、12名が、▽中学国語一種免許も、それぞれ17名、16名、12名、11名が、取得を目指して単位を取得中と、「ゼロ免課程」とは名ばかりと言えるほどの、活発な履修状況となっている。

 
 そしてまた、卒業生の中・高国語・高校書道教員就職数も過去6年間で27名(内専任6名)と、採用試験でも存在感を発揮してきているだけに、今回の同大の学内改革が、同大で書道を学びたいと意欲を燃やしてきた高校生らはもとより、各地の高校の進路指導現場にも少なからぬ影響を与えそうだ。特に、現在の「書表現コース」の在学生のうち新潟県内出身者は僅か26%に過ぎず大半が北海道から九州までの各道府県に分布しているという状況だけに、高校現場への影響は全国的と言っても過言ではなさそう。

 
 この改革により同大の教育学部は、今後も全国で安定した採用が見込まれる小学校教員の養成に主力を置き、中・高の国語や美術など複数の免許も取得が容易なカリキュラムを整備して各学校現場のニーズに応えていく方針というが、こと「高校書道」の免許取得の道は、当面完全に閉ざされたことになる。

 
 ただ、学習指導要領の次期改訂で「小・中国語科書写」の高校延伸の構想も動き出していることでもあり、現在教授1名、准教授1名、専任講師1名と、書道系の国立大では東京学芸、福岡教育に次ぐ手厚い専任教授陣を擁する同大だけに、今後の国語や美術のカリキュラム編成の中で卒業生が将来、書道教員免許取得に転用可能な単位が取れる講座などがどのように設定されるかも、注目される点となりそうだ。

 
 それに今回の入試改革の中でも、「書道」は学科やコースとしては消えるものの、従来から同系列の「美術教育」専攻に、実技系として共通点があるという見地から、入試で「書道分野」での実技検査(必修)枠が確保されることになっていると言う。

 
 具体的には、来年度の教科教育コース「美術教育」専攻の入試では「美術教育」と「書道」の2分野で実技試験を実施するというもので、募集定員10名(推薦1名、一般入試で前期定員7名、後期2名)のうち、一般前期入試の二次試験で「書道実技」の選択を可能にし、定員七名中の若干名を書道分野として受け入れる計画という。

 
 従って、新潟大で「書道の灯」が完全に消えるというわけではなさそうなのだが、書道界・書写書道教育界に対する新潟大の人材供給がこれにより大幅に細る可能性は小さくなさそう。残念の極みと言うほかない。

 新潟大教育学部の入試に関する問い合わせ等は、筍娃横機檻横僑押檻僑娃沓后△泙燭錬僑横械靴瞭餌臚試課へ。




(書道美術新聞 第1089号1面 2016年12月15日付)


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