(1)      (昭和51年6月7日第三種郵便物認可)美術新聞社報 平成29年(2017) 4月30日(日曜日)
書道美術新聞【1面】 > トップ記事
字体とは?! 字形とは?!
掲載日: 16年10月01日

シンポで犖式見解
武田康宏文化庁担当官
教育学会岩手大会で
シンポ風景(9月24日)
 盛岡市の岩手大学で9月24日、第31回全国大学書写書道教育学会大会(岩手大会)が開催された。
(本紙3面に大会関連記事)

 ◇ ◇ ◇

 大会当日、午前中の研究発表と午後の総会に引き続いて午後2時から行われた、「常用漢字表の字体・字形に関する指針(報告)と書写教育」と題するシンポジウムでは、去る2月に文化庁から発表された漢字の字体・字形についての『指針』を受けて、教員養成系大学学部における教育の中で、「漢字指導」と「書写指導」をどのように整理し、どのように関連づけるかや、手書き文字における許容の問題などについて、熱っぽい討議が繰り広げられた。

武田氏の報告から
 シンポは、松本仁志・広島大教授をコーディネーターに佐藤栄作・愛媛大教授、宮澤正明・山梨大教授、押木秀樹・上越教育大教授、それに文化庁文化部国語科の武田康宏氏がパネリストとして参加して、それぞれの立場からの報告と合わせて活発な話し合いを行ったもので、この中では特に、文化庁で今回の『指針』の取りまとめに直接関わった担当官でもある武田氏による報告と、関連発言内容に会場の耳目が集中した。

 武田氏は、「漢字学習が求める学力と、指針が示そうとしているもの」として、まず「字体と字形」概念を詳述。「字体」とは、(1)文字を文字として成り立たせている骨組みのことで、(2)文字の細部に違いがあっても、字体の枠組みから外れていなければ、その文字として認められるとし、従って字体においては、正誤の判断が可能だと解説。


 一方、「字形」については(1)字体が具体化され、実際に表された1つ1つの「字の形」のことで、(2)従って「字形」は手書きされた文字の数だけ、また印刷文字の種類だけ存在するもの、とした。

 そしてそのうえで、「漢字指導」と「書写指導」の概念規定として、漢字指導は「正しい字体で書けるようにする指導」であり、一方の書写指導は「望ましい字形で書けるようにする指導」であるべきもの、という明快な見解を示した。

 ここに示した図版は、武田氏が報告に際して会場のディスプレーに表示した画像だが、特に「空」字における「正誤」と「望ましさの度合い」を例示したものは非常に分かりやすいので、読者にもお目にかけることにする。



(書道美術新聞 第1084号1面 2016年10月1日付)


関連する記事

印刷用ページ 

キーワード検索
書道段級取得−《書統》
書統'10 4月号
楽しく書道を学ぶ雑誌
21世紀の書道をリードする新構想の競書誌です。

[⇒詳しく見る]
▽関連するキーワードで検索する
[お問い合わせ] Tel 03-3462-5251(代表)
株式会社 萱原書房/美術新聞社  〒150-0031 東京都渋谷区桜丘町29-35 ヴィラ桜ヶ丘ビル7F[アクセスを表示]
Copyright (c) 1999- KAYAHARA PUBLISHING INC.,JAPAN All right reserved.