(1)      (昭和51年6月7日第三種郵便物認可)美術新聞社報 平成29年(2017) 11月20日(月曜日)
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特別展「王羲之から空海へ」開幕
掲載日: 16年04月15日

日・中の名筆犇ケ薛
5・22まで
大阪市立美術館会場に
開幕式風景(4月11日)
 特別展「王羲之から空海へ‐日中の名筆・漢字とかなの競演」が4月12日、大阪・天王寺公園の大阪市立美術館で開幕した。タイトルの通りに中国書法史上に狃饑鮫瓩箸靴討修咾立つ六朝・東晋の王羲之に始まる書法の伝承を、日中それぞれのとびきりの書蹟名品合わせて約230件によってたどろうとする大型企画展で、「これだけの書の名品が揃う機会は2度とないと思う」「中国も日本も、漢字もかなも揃っていますから、書をやっている全ての方にぜひ見てほしい」という関係者の弁も、決してオーバーではない。
 
 内容が内容だけに、つぶさに鑑賞しながら会場を一巡するには優に半日、展示期間が限られているものが全体のほぼ半数にも及ぶため、全部見るには日を変えて3度は足を運ぶ必要がある。(本紙7〜9面に関連記事・グラフ)

 ◇ ◇ ◇会場風景(「孔侍中帖」室)会場風景

 本展は、関西に基盤を置く日本書芸院の創立70周年と、大阪市立美術館の創立80周年を記念した共同企画展で、内容的には同院と美術館の専門家チームが5年掛けて計画を練り準備したというだけに、展示品は日本国内の各館・各収蔵家等に収蔵されている国宝35件、重文24件、重美12件を含む201件と、台湾の故宮博物院収蔵の19件、同じく台湾の何創時書法芸術基金会収蔵の9件の、合わせて229件にのぼり、特に台湾からの出品は傅山の1件を除き全て日本初公開となっている。

 出品内容を紹介していくと、まず中国書蹟は合わせて約90件で、王羲之に先立つ後漢〜三国の、張芝の行草の「八月帖」、鍾繇の小楷が見られる「薦季直表」と「宣示表」などの法帖、4世紀初頭の墨書名品「李柏尺牘稿」などがプロローグで、次いで王羲之の名高い双鉤填墨(そうこうてんぼく)の逸品「孔侍中帖」(国宝)をはじめ、「蘭亭序」「十七帖」「集王聖教序」「楽毅論」「黄庭経」、王献之「地黄湯帖」などの碑帖の精拓が並ぶ。それも「蘭亭序」は<開皇本>など5件、「集王聖教序」も<三井本>など4件、「十七帖」も2件が一堂にされており、このように比較鑑賞できるのは得難い機会といえる。

 続く展示は南北朝〜隋唐の、写経名品群と智永の「真草千字文」の逸品2件(1つは国宝)、そして初唐の三大家では虞世南の狹群爾慮彬椨瓠峭子廟堂碑」、欧陽詢の牾て眤莪賈椨瓠峩綫宮醴泉銘」、重文の「化度寺碑」、褚遂良の「孟法師碑」「文皇哀冊」などの精拓群が実に見応え十分で、また顔真卿の「争坐位文稿」の拓は董其昌の旧蔵品を中村不折がコレクションに加えた逸品として知られる。

 唐代ではこのほか、日中を通じて現存最古の写本(初唐)として名高い、国宝の「世説新書(巻第六抄本)」と、旧御物の唐代屈指の狂草の名手、賀知章の肉筆「草書孝経」は、王法の確かな伝承の証しとしても見逃がせない劇蹟といえる。


 本展のこうした展示内容をここでこれ以上克明にたどる余裕はないが、唐に続く宋代では、蘇軾、米芾らのいわゆる宋四大家の尺牘や巻子、法帖類は圧巻で、またいずれも国宝の圜悟克勤「印可状」、虚堂智愚「偈頌」、張即之の個性豊かな写経「金剛般若波羅蜜経」なども見逃がせない。

 元では、名高い趙孟頫の「蘭亭十三跋」や、「与中峰明本尺牘」(国宝)、鮮于枢の詩稿2首を書いた草書名品など、明では祝允明、文徴明、董其昌、そして明末清初の張瑞図、倪元璐、王鐸、傅山、許友らと続く。これらの宋から明清の名品の多くはそれぞれに台湾の両館が誇る逸品揃いで、今回展の大きな見どころとなっている。


 一方、日本書蹟としては、現存最古の「金剛場陀羅尼経」や「金光明最勝王経」などの天平写経の名品から、三筆と最澄、三跡、そしてかな古筆類までの、合わせて106件中の28件が国宝、29件が重文・重美となっており、指定品が実に過半数を占める。作品も、空海の「聾瞽指帰」「風信帖」「灌頂歴名」や、嵯峨天皇の「光定戒牒」、最澄の「久隔帖」も揃い、道風の「三体白氏詩巻」、佐理の「詩懐紙」「国申文帖」、行成の「白氏詩巻」「本能寺切」等々で、また「稿本北山抄紙背仮名消息」、伝道風の「秋萩帖」なども、かな作家ならずとも足を止めずにはいられない。

 また、それぞれに古筆切の逸品を数多く収めた犹安膰塗手鑑瓩箸靴凸捷發ぁ嵬酳佞里澆匹蝓廖屬りがね帖」「谷水帖」はいずれも10数帖が展開されるというが、これらの手鑑はそれぞれ2週間ずつ展示替えの予定のため、3度足を運ばないと堪能できないのは残念だ。このほか古筆類は合わせて70余件が展示されるが、ほぼ前後期で展示期間が二分されているので、お目当ての作品をピンポイントで鑑賞するためには、事前の綿密な鑑賞計画が欠かせない。このため本号7面に載せた「出品一覧」では、各作品の展示期間をすべて記載している。

 このほか日本書蹟関係では、鎌倉〜江戸の禅僧の墨跡や、寛永の三筆、池大雅、良寛などの名品も見られ、また中国の戦国〜三国の古璽印、清朝名家の刻印など、合わせて18顆の篆刻の展示も見落とせない。

 本展に関する問い合わせ等は、筍娃供升僑坑苅機檻苅毅娃韻瞭本書芸院、筍娃供治苅械娃院檻沓横牽気梁膾綮堊躪腑魁璽襯札鵐拭爾悄



(書道美術新聞 第1074号1面 2016年4月15日付)


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