(1)      (昭和51年6月7日第三種郵便物認可)美術新聞社報 平成29年(2017) 11月24日(金曜日)
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鍾明善著『中国書法史』日本語版発刊記念講演会開く
掲載日: 15年12月01日


 美術新聞社は11月28日、東京・中央区の東京八重洲ホールで中国の西安交通大学教授・鍾明善氏による「中国近年新出土古代書法選介」と題する講演会を催した。

 これは本社が目下、鋭意刊行準備を進めている同氏著『中国書法史』の日本語版(中村伸夫訳・全7巻)の第1回配本が間近となったことに伴い、同氏を日本に招き各種の記念行事を行っている一環として開催したもので、翌29日には同氏と長年深い交流関係にある群馬・高崎市の高崎書道会(天田研石会長)の協力を受け、同日午前に群馬県立近代美術館を会場に「中国書法の現在と未来について」、同日午後には高崎ビューホテルで「于右任先生の書法」と題する講演会も、それぞれ開催した。
 
 この一連の記念講演の内容については、「中国書法の現在と未来について」は既に《千書万香》26号に紹介済みで、また「于右任の書法芸術」の内容をベースにした論考を『中国書法史』日本語版の第7巻の付録として掲載することにしているので、ここでは「中国近年新出土古代書法選介」の内容を、以下に要約して紹介する。
 
 なお、同講演で画像が発表された書蹟のうち、特に資料性の高い一部の隋唐代の墓誌の図版を、6面に紙面の許す範囲で特集掲載した。(本紙6面に関連図版)

 ◇ ◇ ◇新出土・顔真卿「郭虚己墓誌」(749・40歳)同・顔真卿「王琳墓誌」(741・32歳)

講演「中国近年新出土古代書法選介」から


 中国で近年、新たに出土した古代書法の遺品の数はまさに膨大で豊富である。
 
 陝西省だけを例にとっても、西安碑林は近年新たに書法碑石を200基余、近年開館の西安大唐西市博物館も500基余を収蔵している。
 
 
 長安区博物館、咸陽博物館などの各館でも、それぞれ沢山の新書法碑石を収蔵し、陝西各館の碑石や、秦漢の文字瓦当、璽印、封泥、陶文、金文、漢簡、漢唐の墨書、朱書陶瓶、墓誌など書法文物は、とても全容を把握しきれないほどである。

1)西周 氏家族青銅器
 狆眦だ亳歿袈伸瓩琉枳召巴里蕕譴詈鶏市眉県馬家鎮楊家村渭北黄土台★で2003年1月19日、27件の西周青銅器が新たに出土した。この青銅器の出土は内外の文物・考古学界を興奮させ、専門家らは21世紀の重大発見と口を揃えた。
 中でも「★盤」は、狠羚饌莪貳廰瓩半里気譴覦鑄覆任△襦C鮃まれた銘文372字は、1976年に同じ宝鶏市の扶風県で出土した「 盤」より98字多い。

 『 西眉県楊家村西周青銅器窖蔵発掘簡報』(2003年『文物』第6期)によれば、銘文中には、第一部にすべて揃った西周諸王(文王から宣王に至る十二代の周王)の家系を見ることができる。過去の出土品との関係から見ても、『史記』に記載されている西周諸王の家系の正確性を証明したわけである。

2)秦代封泥
 西安北郊漢城地区相家巷の村民が田畑で新たに、秦代の大量の封泥が発見した。その後、西安市文物局の手で同所から緊急発掘された封泥と、すでに掘り出されて民間に渡っていた封泥は合わせて3、000枚余である。未公開の封泥図版を紹介する。

3)前漢金文
 「前漢 畤銅鐙」の燭台の基底で見つかった銘文は、漢代小篆の典型といっていい。小篆は、漢代に至って形体は次第に方正に整い、石に銘文を刻する際に多用されるようになった。

4)北魏華陰楊氏宗族墓誌
 中国で6番目に多い姓である楊家は、もともと陝西華陰に芽生えた。「天下楊氏出華陰」と称して後世、華陰は国内外の楊氏の原籍となり、弘農楊家(華陰楊家)は代々評判の高い風雲児を輩出、あるいは様々な原因で冤罪を被り非業の死を遂げた者もいた。

 北魏時代の楊家は、皇帝と親戚関係を持ち評判が高かった。楊氏宗族の墳墓から出土した一連の墓誌は、北史研究の重要史料と文献であり、また中国書法史上極めて価値のある書法遺物でもある。

5)女帝武則天の作った「則天文字」
 (略)

6)「上官婉児墓誌」
 (略)

7)「桓臣範墓誌」
 この墓誌の書者王縉は、大詩人王維の弟である。清代の学者王世貞は、王縉を李 と同レベルと断じ、王縉は薛稷(唐初の欧・褚・虞・薛らの大書家中の1人)よりレベルが上とさえ評している。

8)何栄光書「劉思賢碑」
 何栄光は、歴代の金石書画著録等に名が記載されていない人だが、彼のこの碑に見る1200余字は、誠に精美な楷書作品であり、欧陽詢より含蓄があり、虞世南より伸び伸びとし、褚遂良より威厳がある。

9)新出土徐浩書墓誌三種
 (略)

10)顔真卿書「王琳墓誌」「郭虚己墓誌」
 「王琳墓誌」と「郭虚己墓誌」は、顔真卿が30から40歳の間に書いた書で、端正で傑出し、温和で典雅。王羲之、褚遂良の遺韻があり、後年の「顔勤礼碑」や「大唐中興頌」等とは、大きく異なっている。

11)韓択木の隷書作品
 近年発見の天宝九年紀年の「大唐故寿光公主墓誌銘」は、韓択木の隷書の極めて精密な作品で、唐代一流レベルの隷書と言える。またその楷書「南川県主墓誌」も、実に上品で美しく、魏晋の風格をもつ。

12)「張美人墓誌」
 (略)

13)李商隠撰並書「王翊元夫婦墓誌銘」
 (略)

(書道美術新聞 第1065号1面 2015年12月1日付)


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