(1)      (昭和51年6月7日第三種郵便物認可)美術新聞社報 平成29年(2017) 11月24日(金曜日)
  
投稿日時: 17年06月01日

 《年鑑・書道》の過去38年間の変遷を確認するため、久しぶりに《1980》版を手にとってみて懐かしかった。

▼巻頭のグラフの第1ページには毎日展大賞の矢壁柏雲「乾坤一擲」の作品が載り、その次に日展大臣賞の杉岡華邨「酒徳」の作品が載っている。これは青山杉雨先生に「なぜ、日展大臣賞より毎日展の大賞が前なんだ」と叱られたもので、まだ書道界に不案内だった編集子のミスだった。青山先生にはよく叱られたものだ。
 
▼グラフページの次には、「エッセー」のページがあり、安東聖空、大石隆子、高田博厚(彫刻家)、池坊専永(華道家)、山口長男(画家)、奥田元宋(画家)の方々の、書に関する随想が載っている。本号で正筆会会長の黒田賢一氏のインタビューを載せているのも巡り合わせと思い、当時正筆会会長だった安東氏の一文を拾い読みしてみる。
 
▼「やすやすと楽に読めるということが、書の作品としてそんなに低級か」「やすやすと読める文字の内に心をこめることが、そんなにむつかしいことか」「深い心のこもらない難解な形の字を書くことが、そんなに高級なものであるのか」「五弁の単純な梅の花、…美しいではないか。神々しいではないか、このような文字を私は書きたい」。嗚呼!

(書道美術新聞 第1100号1面 2017年6月1日付)


投稿日時: 17年05月15日

 覚えてくださっているだろうか。4年前のちょうど今頃の紙面で、「狒款〕ゾ´瓩鷲抻魁廚函■洩未蚤膰出しを付けてお知らせした、全国の公立高校書道教員採試の実施状況のこと

▼つまり、あのとき調査した過去15年間で1度も採試を実施しなかったことがないのは富山1県だけ、という記事であった。むろん言外に、小規模県の富山に出来ることがなぜ、採用規模のずっと大きい東京や愛知にできないのかと問い掛けたものだった

▼ところが、である。その爛皀妊觚瓩良抻海、今年は採試を実施しないというのである。当然教員の採試は、教育現場にニーズがあってはじめて、成り立つことなのは分かるが、富山の場合は平成元年から30年近く1回も欠かさず実施してきたことを考えると、「今年はニーズがなかった」という説明は俄かには納得しがたい。トップに異動でもあって、基本方針が変わったのかも

▼それにしても、今年の実施は14県と、春先から真冬に逆戻りしたかのような状況である。書写書道教育界は今、多少追い風的な風向きを感じ始めているが、足元を見つめ直し、「高校書道教員の採用促進!全国100万人署名」などをやれば、必ず結果は出ると思う。国会議員連盟にも、お願いしよう!

(書道美術新聞 第1099号1面 2017年5月15日付)


投稿日時: 17年05月01日

 東京オリンピックで野球や空手、サーフィンなどが新種目として採用され、関係各界がねじり鉢巻きのようだが、番外でいいから、今からでも「芸術」を加えてはもらえないだろうか

▼もちろん、現在の計画でも、何らかの文化関連のプログラムは用意されているのだろうし、芸術界でもこれを機に大規模イベントを企画している分野もあるには違いない(書道界では今のところ聞こえていない)が、組織委員会として正式に位置づけ、「五輪マーク」が使える展覧会が同時開催ともなれば、狷本瓩鬟▲圈璽襪垢訃紊任盥ヅだと思う。3年あれば、十分間に合うし――

▼そもそも近代オリンピックの史上では、かつて「芸術競技」が正式種目だった時代があった。1912年のストックホルムから48年のロンドンまでの7大会で、絵画・彫刻・文学・建築・音楽の五分野が正式種目として取り上げられ、「スポーツを題材にした作品」審査で、得点により順位を競うというものであった

▼そして日本人選手(?)も、32年のロスと、36年のベルリン大会では、国内予選を経て参加し、32年には版画で長永治良が佳作、36年には絵画で藤田隆治、水彩で鈴木朱雀の2人が銅メダル、音楽で江文也が4位に入賞したという。

(書道美術新聞 第1098号1面 2017年5月1日付)


投稿日時: 17年04月15日

 中国で、当時の茶に関する知見が網羅された『茶経』が編まれたのは、8世紀の唐でのこと。そういえば「武則天」のドラマでも、茶は盛んに飲まれていた。そして列島では、遣唐使が茶葉を持ち帰り、それが献上されて宮廷で嵯峨天皇が愛飲したなどの記録もあるようだが、唐代の喫茶法が列島に根づくことはなかったらしい

▼列島における茶祖(?)というべきは臨済の僧、栄西だと言い、宋で盛んだった喫茶法を伝えると共に、茶樹の種子を持ち帰った。今に至るも列島の茶樹のDNAは全て栄西の種子につながっているというから、驚きだ

▼それにしても、こうして千年近くも前に大陸から学んだ「喫茶法」を、固有の感性と美意識で磨き上げ、今や世界から日本文化の象徴とさえみなされる「茶の湯」の文化に昇華、深化させた歴史は、無条件で胸を張れる気がする

▼そしてまた、その「茶の湯」文化の中で墨跡が、そして書が特別な居場所を与えられたことは、もちろん書にそのような価値、資格があったればこそとは言え、逆にもし列島に「茶の湯」の文化が興らなかったら、列島における書の歴史も多少違ったものになっていたかも知れない――。東博の「茶の湯」展の会場で、しみじみ思ったことである。

(書道美術新聞 第1097号1面 2017年4月15日付)


投稿日時: 17年04月01日

 「文字文化」とは何か――。これから、相当悩むことになりそうだ

▼「国語」科の指導要領には従来から小学生用にも中学生用にも「言語文化」という概念が明示され、各学校段階・学年に応じてその具体的な学習目標や内容が例示されているので、どこの教科書や教師用の指導書などでも、それに沿って十分にこなれた共通性のある教材選びや解説を行っている。だが今回の新指導要領では、「言語文化」の1分野として全く新たに「文字文化」の概念が提起され、「身の回りの多様な表現を通して、文字文化の豊かさに触れ、効果的に文字を書くこと」などと示された

▼もちろん、指導要領の本則に例示がないのだから『解説書』で詳しく牴鮴皚瓩気譴襪里世蹐Α△箸六廚Δ、当然まずは「文字」とは?、「文化」とは?、そして「文字文化」とは?をスタートに、この36字にある「身の回り」、「多様さ」、「表現」、「豊かさ」、「効果的」のそれぞれについて、内容や範囲や度合い等々を掘り下げようとすると、なかなか一筋縄では…

▼と、実は今一番先頭を切って悩み始めているのが、小誌《書統》で新講座の連載を始めようとしている小子で、相変わらず夜も寝ずに昼中ぼんやりしながら、考え続けている。呵々!

(書道美術新聞 第1096号1面 2017年4月1日付)


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