(1)      (昭和51年6月7日第三種郵便物認可)美術新聞社報 平成29年(2017) 11月20日(月曜日)
  
投稿日時: 16年05月01日

 今回の衆議院内閣委での質疑はやはり、書壇にかなりのインパクトを与えるものだろう。本紙は実は、昨秋の段階から、ある文書の存在を耳にしていた

▼その文書は、緒方議員が質問の中で「昨年8月、私のところに投書がきました」と述べているものと同一と思われ、議員の今回の質問の根拠となっている。議員は早速その文書を内閣府と文化庁に持ち込んで確認するよう求めたという

▼議員の言っているように、文書は個人や団体が特定できる内容を含んでいるので、ここでも「今までのお礼も含め、一律10万」という集金連絡のメール、とだけ書いておくが、要するに今回の「日展問題」が起こる以前なら、ごく日常的に書壇でやりとりされていた類の文書である

▼一部墨塗りしてあるのは、提供者が特定される記述のある部分だろうが、この文書を受けて内閣府は日展に調査を求め、文化庁は「出所不明の文書」だとして「調査は控える」としたらしい

▼そのことが議員の、「ちょっと文化庁と内閣府に温度差がある」という発言の背景となっているのだろうが、ともあれ要するにこれから書壇は、徹底して「李下の冠、瓜田の沓」に徹し、こうしたことが話題にされることがないようにせねばならぬのではあるまいか。

(書道美術新聞 第1075号1面 2016年5月1日付)


投稿日時: 16年04月15日

 「王羲之…展の会場を巡りながら、かう考へた」、漱石ならさしずめこう書き出すだろうか

▼「百聞は一見に如かず」、まことに至言である。出版社の社長としては甚だ面目ないことではあるが、こと「書」については、どんなに最新の印刷技術を駆使しても猊簡広瓮譽戰襪里發里靴作れないと、しみじみ思ったのである。とにかく湧きあがって来るのは、書者の気迫であり息づかいである。写経についても例外ではなかった。むろん並んでいる作品(写経も含めて)の質が、それほどのものということなのだろうが

▼それに比べると拓本は、どんな名拓精拓でも、これなら出版社にも出る幕はありそうとも感じた。そうした意味から言えば、「孔侍中帖」もさして足は釘付けにはならず、何となくアラ探しをしているような自分に気づいたのだが、これは根っから左脳人間の筆者の犹廚すみ瓩邪魔してのことかもしれぬ

▼実は今回の「王羲之…展」では、最近はめったに出向かない「記者内覧会」に出て、わずか十数人のマスコミ関係者だけでゆっくり、という特別なもてなしにあずかったので、こんな今さらの感想を書いた次第だが、それにしても、見応えのある展覧会である。新幹線代も決して惜しくはない――。

(書道美術新聞 第1074号1面 2016年4月15日付)


投稿日時: 16年04月01日

 今をときめく女優のことだから、これはさしずめ、「書写・書道」の大事さを子供たちに身をもって示そうと、きっと「ジャンヌダルク」を買って出てくれたに違いないのである。それは3月18日のことであった
 
▼宮沢りえから、たぶん芸能系のマスコミ各社に宛てて「離婚発表」のFAX連絡が送り届けられたのだとか。FAXの文書自体はワープロだったのだが、一番下に直筆のサインがあったことで、その画像がネットで拡散しツイッターが猜騰瓩靴燭里世辰

▼「宮沢りえの字、がっかりだね」「下手すぎ。小学校低学年並み」「あの字でイメージが下がった」等々と、大変な盛り上がりだった。実際ネット上に氾濫している件の狡症サイン瓩鮓ると、まさしく就学前の倏中さん瓩△燭蠅、全くの見よう見まねで書いたようなアンバランスな字である

▼だが数日たって興奮が収まってくるとツイッターでは、「実は自分も、子供っぽい字でいつも悲しくなる」「きれいな字が書けたら、気持ちいいんだろうね」「ペン字の練習始めようと思う」などと、だんだんと前向きの書き込みが増えてきたのは、そう、りえ女史の深謀遠慮の結果なのではあるまいか。書写・書道界も感謝状くらいは…!

(書道美術新聞 第1073号1面 2016年4月1日付)


投稿日時: 16年03月15日

 異なことを聞いた。故欧陽可亮の遺墨の所有権を、遺族と立命館大が争っている犹件瓩虜枷修任里海
 
▼3月3日に大阪地裁であった口頭弁論で被告の立命館側の代理人弁護士が裁判官に対して、2月1日付の本紙の紙面のコピーを示しながら、こう言ったとか。「裁判長!訴訟は一般公開というのが前提ではありますが、訴状全文がこのように掲載されるのは困ります」

▼これに対して裁判官が何と答えたかというと、むろん一切無言だったそうだが、当たり前で、無言は「何を言ってるんですか」と答えたのと同じことに違いない。学校法人にプライバシーなどもあるはずもないのに、公開が原則の法廷での主張を「公表されては困る」と言うのだから、被告側にはよほど、無理筋の主張が含まれているのかも知れない

▼裁判は間もなく、実際に作品を被告側に持ち込んだ当人である「寄贈者」の女性が証人として出廷し証言するというから、いずれにしても結着間近と言ってよさそうだ。が、それにしても、原告側の「原告が作品の所有権を主張しているのは、その経済価値を確保するためではなく、その学術価値を日中友好のかけはしとして役立たせるため」という主張に共感を覚えるのは、筆者だけではないだろう。

(書道美術新聞 第1072号1面 2016年3月15日付)


投稿日時: 16年03月01日

 本紙が前号で取り上げた「『トメ・ハネ』幅広く犁容瓠廚離縫紂璽垢蓮波紋が広がっているようだ

▼そもそもは、読売が2月10日付朝刊の社会面で小さな記事を書いたのが発端で、本紙も専門紙として無視はできないと2月15日付で、「そもそもこうした字体に関する考え方は基本的には、1949年の『当用漢字表』以来一貫して示されて来たところ」と断りながら、「決して新たな方針を打ち出したものではない」とする文化庁側の解説も紹介して記事を書いたわけである

▼ところが、その後毎日が2月22日付夕刊の一面トップで「漢字、とめ・はね違いOK」の5段抜きの記事を書いたものだから反響は大きく広がり、さらに読売が「わが方の爛好ープ瓩世辰燭里法軽く扱い過ぎて失敗、失敗」と、2月29日付夕刊一面トップで再度「手書き漢字『正解』広く」という7段抜きの大記事で後追いしたから、大変!

▼関係者によると、文科省の教育課程課に問い合わせが殺到していて、「新しいことは何も言ってないし、新しいことをやろうとしている訳でもありません。この際、冊子にまとめようというだけの話なんですよ」と、新聞の牴畩衄娠甬ぬの記事に触発された世間の反響の牴仂辰鍬瓩膨匹錣譴討い襪箸いΑ

(書道美術新聞 第1071号1面 2016年3月1日付)


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