(1)      (昭和51年6月7日第三種郵便物認可)美術新聞社報 平成32年(2020) 7月3日(金曜日)
  

萱原(かやはら)晋のコラム(風信帖/癸隠隠毅掘

「27年ぶり日中名家展」の北京展
 「27年ぶり、日中トップの名家による交流展」であるから、北京展にも相当程度に関わった立場から手前味噌を承知で言わせてもらえば、やはり今年の狃馥山Γ隠安腑縫紂璽広瓩裡院■欧魘イΔ發里世隼廚ΒГ發辰箸癲会場が中国美術館などなら読者各位も分かり易いだろうが、会場となった「中華世紀壇」は筆者も全く予備知識がなかったから、イメージがつかめず、かなり戸惑ってしまった。また、会場としての格というものも、イマイチつかめていない▼が、会場自体は今回の紙面でもご覧頂けたように、悪くなかった。しかも全体のスペースは相当なもので、壁面は必要なら幾らでも使えそうだから、今後この会場での交流展も増えるかもしれない。それにしても、そもそも当初は「今回の北京展は中国書法家協会が主催」と聞かされており、「中国側は人選をやり直し、五〇人規模」「北京展のあと、西安展も構想」などという情報に振り回されながら、実に開幕6日前まで、作品集の編集を日本から手伝った。中国側も、相当にフラつきながらの開催だったと思われる▼とは言え、まだ終わってはいないのだ。「作品は預かっときますから、いつ取りに来ますか?」と言われ、目下必死に日程調整中なのである。


萱原(かやはら)晋のコラム(風信帖/癸隠隠毅供

「ヒエログリフ」の次は「楔形文字」
 「国際文字文化検定協会」を華々しく立ち上げながらまだ狷饂梱畸罎如◆塋源だ!》誌ぐらいしか存在感を発揮できていないのは、我ながら誠に歯がゆい▼だが、同誌にこのところ6回ほど古代エジプトの文字として知られる「ヒエログリフ」についてのエッセーを連載したら、加藤達成先生にえらく褒められてしまい、すっかり気をよくして「おだてブタ」さながら、「じゃあ、次は楔形文字について書いてみようか」と、目下構想を練っている▼とは言え、専門的に研究したわけでもなく、「ヒエログリフ」にしても「楔形文字」についても、西洋美術史を多少学ぶ過程で(これは半世紀近く)かじっただけなので汗顔の至りというほかないのだが、《文字だ!》の次号が出たら、まあ、漫談と思ってお読み頂きたいと思う▼話の端緒として考えているのはやはり、大英博物館のあのナゾのパネル「ウルのスタンダード」や、ルーブル美術館にある、楔形文字で猝椶砲鰐椶鬮瓩遼(犬ビッシリ彫り込まれている「ハンムラビ法典碑」などの、古代メソポタミア(現在のイラクの一部地域)出土の遺品たちなのだが、日本では高校生用の世界史図説あたりなら小さな図版くらいは載っているにしても、まあ、縁遠い世界に近い―。


投稿日時: 19年11月10日

 海上雅臣さんが亡くなった。「行動的美術評論家」と評されたその軌跡は、多くが常に対岸からモノを言っているような我が美術評壇にあってはまさに異色の、河を渡り現場に乗りこんだかのような活動ぶりだった▼十八歳で棟方志功の版画を買ったのをきっかけに「美術を見る」世界にのめり込み、二十代で早くも棟方の画業を整理して四冊の本にまとめたのが狃蘓忰瓩世辰燭、それが棟方のベネチア・ビエンナーレでの大賞に結び付いたとも言われるから、確かな犂穃廊瓩噺世錣佑个覆蕕覆あ畢生の労作というべきはやはり、井上有一のカタログレゾネ、『井上有一全書業』(全三冊)の編集・刊行で、これにより井上の評価が国際的にも定まったことは、二十世紀「書界」の金字塔として長く残る仕事といえよう。初め銀座で壹番館画廊を経営し、その後麻布台でウナックサロンを主宰したのも、多少雑音は伴ったとは言え、彼の「行動的」一面を物語って余りあるものだった▼筆者は晩年の井上有一と割合親しく付き合ったのだが、その出会いはウナックで海上さんから紹介されたことで、その後もたびたび、「井上さんが来ているから来ない?」などと、電話をもらったものだった。海上さん、安らかに――。


投稿日時: 19年10月29日

 美術新聞社はこのほど、今夏全国で繰り広げられた、来年四月から小学校で使われる「書写」教科書の出版五社による犧梁鮠戦瓩侶覯未鬚泙箸瓩拭碧椹羯諭糎淕婿仮函法
▼小学校用教科書の採択(採用)は、全国の区市町村を約六〇〇に集約した「採択エリア」ごとに行う仕組みで、エリア内では全て同一の教科書が使われる。従って、特に学習指導要領が新しくなって全面改訂した際の出版各社の「エリア」獲得競争は、熾烈を極めるといわれる。
▼とはいえ、学校現場ではやはり使い慣れた社の教科書を求めがちだから、各社のシェアはそう大きくは変動しない。そして「書写」教科書では従来から、光村がトップシェアを維持してきたことは、書写教育界では周知の事実で、今回も光村は全五八七のエリア(不明二を含む)のうち実に二九一と、ほぼ半数を押さえたことが分かった。
▼ちなみに一〇年前は全五七八のエリア中、二六三だったから、シェアを大きく伸ばしたわけである。もともと同社は従来から「国語」教科書で六割超のシェアを維持しているから、そういう流れと見ることもできる。ともあれ、全国の書塾指導者各位には、この調査結果は貴重な情報になると思う。特にエリアの境界付近ではご注意頂きたい。【萱原 晋】


投稿日時: 19年10月29日

 われわれ民間としても、「文字文化検定」の具体化にまだ苦戦中で、学校教育がこの問題についてどんな方向に進むのかが、最も気になるところ。
▼だが、今年お目見えした小学校用の新教科書には、具体的な言及はほとんど見られなかった。それはある意味当然で、小・中学校の指導要領では、漸く中三段階で初めて「文字文化」に関する言及があるだけなのであるから、教科書に具体的な犹愎豊瓩示されるのは、来年お目見えする中学教科書でも期待薄。
▼やはり高校用の新しい国語教科書、それも「共通必履修科目」となる「言語文化」の教科書になるのだろう。そうすると、まだ二年も先で、待ち遠しいことである。だが、その辺は実は教育界でも同様で、なお五里霧中の感があり、各教研集会や教育系の学会などでの議論を聞いても、なかなか噛み合うところまでいっていない。
▼ただ、文科省関係者の最近の説明では、学校教育で今後「文字文化」が一つの指導事項となったり、指導のカテゴリーとなっていくと考えるべきではないという。そうではなく、現代の生活の中に融けこんだ一つ一つの文字に関する事項についての学習を、「文字文化」という視点で括っていくということらしい。これなら、かなり分かりやすい。【萱原 晋】


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