風信帖(980)

 12年03月15日 | カテゴリ: ≪風信帖≫

 多くの関係者が来年の「生誕100年記念個展」実現を信じて疑わなかった杉岡華邨氏の突然の訃報は、あと3日で満99歳の誕生日という3月3日のことだった
 
▼先生は今年に入ってもすこぶる元気で、1月の東京での臨池会新春展の会場にも初日から姿をみせていたし、2月8日にあった日本の書展・奈良展の開幕式でも、狄責瓩鬚い弔眥未蠅砲海覆靴討い拭四月の日本書芸院役員展のための作品を書き上げたのもそのころで、これが絶筆になった

▼2月14日朝、急に40度の熱を出して救急車で緊急入院。肺炎だった。「高齢ですから、肺炎はなかなか厳しいですよ」という診断だったが、下旬にはベッドに起き上がって食事をするほどの驚異の回復ぶりで、これなら退院も間近と期待されたが、29日の午後になって容態が急変。肺炎から来る心不全だった

▼しかし心不全を起こした翌日も、不明瞭ながらマスク越しにしきりに夫人に話し掛けたり、盛んに手を高く上げて大きく動かし、何かを書いているような仕草や作品を整理しているような仕草を繰り返すなど、生きる意欲を失っていないようだったが、3日の未明になり、息を引き取った。眠るような最期だったという。ご冥福をお祈りしたい。

(書道美術新聞 第980号1面 2012年3月15日付)




kayahara.com : 萱原書房・美術新聞社のサイトにて更に多くのニュース記事をよむことができます
http://kayahara.com

このニュース記事が掲載されているURL:
http://kayahara.com/modules/column/index.php?page=article&storyid=94