≪風信帖≫第893号

 08年06月01日 | カテゴリ: ≪風信帖≫

 新聞はテレビなんかと同じで情報通信の分野に括られるが、出版社はというと業種的には製造業になる。それもそのはず業界では、それほどの“製品”じゃなくても販売の工夫ひとつで、キャッチコピーひとつで、ベストセラーになったりすることも珍しくない
▼ところがその出版界に、自由競争の製造業というにはいささか酷な分野が存在する。少子化で子供の数が半分になった今日、どんなに鳴り物入りで宣伝しようが、おまけを付けて売ろうが、半分になったパイを取り合うしかない学校教科書出版の分野だ。先年の中教出版の倒産も書道界にとっては大ショックだったが、またまた教科書出版の老舗(明治四十二年設立)「大阪書籍」の倒産(民事再生手続きで、会社は当面存続を目指すらしい。「書道」教科書の供給も続けるという)というニュースが飛び込んできた

▼こうした状況下では、弱小企業が淘汰の憂き目を見るのは世の習いだろうが、では強いバックを持つ大手(光村図書は光村印刷系、教育出版は大日本印刷系、東京書籍は凸版印刷系)はみな安泰なのかというと、そう単純なものでもないようだ。共同印刷系として知られた日本書籍がギブアップし、「新社」が事業を引き継いだのは五年前のことである。

(書道美術新聞 第893号1面 2008年6月1日付)



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