風信帖(965)

 11年07月15日 | カテゴリ: ≪風信帖≫

 全国書道用品生産連盟が、記念総会を開いた。連盟の結成は昭和27年であるから、当時は既に戦後も幾らか落ち着きをみせ、文部省も毛筆習字復活の方針を打ち出すと共にそのための「指導要領」(試案)も発表しており、業界としても満を持してのスタートだったに違いない

▼爾来60年、用品業界が用具用材等の研究開発や安定供給を通して日本の書道と書道教育の振興発展に果たしてきた役割の大きさは、むろん敢えて喋々するまでもないこと。そして今まさに還暦を迎えて、用品需要もますます底堅く、事業継承や伝統技術の後継者にも恵まれ、業界には何の不安もなく…、と来れば万々歳なのだが、なかなかそうは問屋が卸してくれないのが世の中

▼総会でも真剣に議論されていたことだが、少子化等々で昨今の連盟を取り巻く環境は厳しさを増し、また会員業者の退会も相次ぐなどで組織としての体力もそがれる一方、海外からの安価な用品の洪水は留まるところを知らず、産地の疲弊は極限に達している

▼しかし日本の書道の将来は用品業界の万全の支えがあってこそと知れば、苦境の連盟の、また産地の「もっと国産品を!」の叫びにもう少し耳を傾けるのは、我々がすぐにでも始められる支援策である。

(書道美術新聞 第965号1面 2011年7月15日付)




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