風信帖(958)

 11年04月01日 | カテゴリ: ≪風信帖≫

 相手が相手だから、面と向かって文句をいう書道人は多くないかも知れぬが、しかしこれはやはり相対的に観客動員力の低い書道展の「差別的扱い」と思われても仕方あるまい。新生都美に借館が決まった書道団体の3分の1が最低ランクに「仕分け」されたのである

▼これで献薀鵐評価の団体の半分近くが書道関係とあっては、「提出書類だけを基に観念的に判断したとしか思えない」などと、書道界に声なき声が渦巻くのも無理からぬ話だろう。その評価が「総合点」という点数で表され、最高は毎日書道会の75点から最低の10点台まで各団体を点数順に並べたリストが作られているのだが、どうみても妥当性を欠くケースも少なくない。当たり障りない例を挙げれば、産経国際書展は上から8番目の53点だが、同じ産経の書のアート展(新参入)は下から10番目の28点といった具合である

▼そこで持ち出された館側の「都美術館の基本的使命との合致」という理屈も、実は資料にはもっと詳しく4項目ほどのポリシーが並べてはあるのだが、どうみても教科書的観念的な内容で、これを盾に”行政権力の発動たる借館団体の選定がなされるのでは、書道団体ならずとも、治まらない向きは少なくないのではあるまいか。

(書道美術新聞 第958号1面 2011年4月1日付)




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