風信帖・942

 10年07月15日 | カテゴリ: ≪風信帖≫

 栗原蘆水氏の訃報は、文字通り突然だった。夫人によると、氏はその日、朝から大阪市美であった全関西展の審査会に出掛け、午後3時前に戻った。帰宅後も変わりなく、手紙の整理や返事を書いたりしていたが、「夕食前に風呂に入るわ」と浴室に消えたのが、夫人の見た元気な氏の最後の姿で、なかなか上がって来ない氏を見に行って異変を知ったという

▼氏がこの春、2カ月余り入院していたことは広く知られていたが、それも腸の疾患によるもので、危機的なことは何もなかった。6月中旬にあった関係する会の練成会にも、全日程いつも通り参加していた。こう聞くと、身内の方々の驚きと悲しみは本当に察するに余りあるが、只々お悔みを申し上げる外ないのが無念だ

▼それにしても、この訃報の3日後に地元紙が報じた大ニュースは、さらに関係者を驚かせたといえようか。それは、書道界では故赤羽雲庭旧蔵として知られ、長らく所在不明となっていた藤原佐理の書状「頭弁帖」を栗原氏が数年前に手に入れ、名前を伏せてふくやま書道美術館に寄託中で、今秋にも正式に寄贈手続きをして公開予定となっているというのだ

▼早速、館に問い合わせた。9月11日からの「特別展」は、変更なしとのことである。合掌。

(本紙3面に関連記事)

(書道美術新聞 第942号1面 2010年7月15日付)




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