≪風信帖≫第897号

 08年08月01日 | カテゴリ: ≪風信帖≫

 オリンピックの喧騒が、たぶんもうその頃は「夏草や…」の風情となっているに違いない九月末の北京で開幕する「井上有一展」は、いろんな意味で注目の書展になりそうな予感がする...
▼北京のしかるべき会場でしかるべき日本の文化人・芸術家のイベントが開かれること自体はもう日常茶飯の慶事だし、それらの一部に中国側のビジネス・システムを利用した(あるいは乗せられた)事例も少なからず仄聞する昨今だが、しかしこの「有一展」は聊か趣を異にした、中国側の有一作品に対する積極的な関心がエネルギーになって実現しつつあるもののようだ

▼ むろん今回の快挙のバックにも、有一の稀有の理解者で支援者、パトロンでプロモーター、愛人で囚人(?!)といえそうな、あの現代美術評論界の“怪人”、海上雅臣氏の情熱的な動きがあることは想像に難くないが、出品リストに「噫横川国民学校」の題名を見ては放っておけない

▼あの作品を北京へ持って行って中国人に見せることの意味は、多少オーバーにいえば、それこそ現代における「書」の可能性と限界に挑戦しようとする企て、そんな気さえする。そう、彼我のいわゆる猯鮖貿Ъ韻虜広瓩法△△虜酩覆どう影響を与えるか与えないか、という問題である。



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