風信帖(1122)

 18年05月15日 | カテゴリ: ≪風信帖≫

 いささか旧聞だが、「日本人は水と安全はタダだと思っている」という名言で名高いイザヤ・ベンダサンなら、何とのたまうのだろう。さしずめ、「日本人は言語文化、文字文化は、空気のようなものだと思っている」というのかも。このところ寝ても覚めても(?)、「文字文化とはなにか」という難問に憑りつかれて、「いざや、便出さん」の真逆(失敬!)で、実にスッキリしない

▼そもそもの始まりは、文科省の「文字文化の豊かさに触れ」というご託宣なのだから、文科省に質問状でも出してみたいくらいだ。「文字とは何か」なら、難問でもなんでもないような気がするし、「文化」だけでも同じだが、くっつけた途端に、なにか焦点が定まらなくなるのは筆者だけだろうか

▼そういえば我が国では、「鍋」や「包丁」や「住宅」などに「文化」を付けて有り難がった時代がある。これは、ちょとした新しさや洋風といった響きなのだろうが、「文字」に付けた場合、当然もっと骨太の、奥深い、しっかりした内容が期待されることは確か

▼それで思い立って調べてみたのだが、全国に数ある大学で「文字文化」を冠した学部や専攻、コースといったものを置く大学は皆無のようだ。言語文化学科は、辛うじて東京外語大にある。

(書道美術新聞 第1122号1面 2018年5月15日付)




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